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変化する札幌都心部 (2011/1)


佐藤 淳一

 今春はついに札幌駅と大通駅が地下通路で結ばれます。大通駅とすすきの駅を結ぶ地下街ポールタウンとは違い、あくまで歩道としての建設ということですが、札幌駅と大通駅の往来がしやすくなるため活性化が期待されています。特に雪が降る冬場の人の行き来はこれまでより便利で足をのばそうと思わせてくれる空間になるかもしれません。

 札幌駅と大通駅を結ぶ駅前通沿いの西側は、敷地も大きく大手資本のビルが多く建ち並んでおり、既に立替えしたビルや工事中のビル、立替計画中のビルなど新陳代謝が進んでいます。一方東側は敷地が小さかったりして単独での開発が厳しいのか立替えなどの話があまり出てきません。現状では札幌駅周辺の商業集積が高度化するなかで、大通地区の苦戦が続いていました。しかし、大通地区も旧北海道拓殖銀行本店があった大通公園と駅前通の交差する場所に大通ビッセが昨年開業し、大通の新しい顔となりました。拓銀の破綻以降大通地区は元気がない状況でしたが、札幌駅と結ばれることにより都心部の回遊性が高まり、期待も大きいと思われます。また、大通の東側にはもうすぐ劇団四季の専用劇場がオープンするなど今年は明るい話題も多く見られます。

 これまでは大通と札幌駅が点でしかなかったのが今年は線でつながり、今後更に成熟して線から面へと発展していけば都心部の魅力が飛躍的に高まると思います。
厳しい経済環境下で一部ではお客さんの奪い合いとの考えもありますが、相乗効果もかなり期待できると思います。