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札幌の寒さ対策(2012/02)


草野 裕樹

 今年の札幌は寒い日が続いている。予想よりも雪が多く、気温が低い。マンションを管理する立場上、ある程度の降雪があれば除雪などにも随時現地へいって対応しているがなかなか大変な作業となっている。そんな状況下においてマンションにおける管理の仕方、方法に様々な違いがあることが見えてくる。

 マンションというものは人間と同じで様々な特徴や善し悪し等を持ち合わせている。普段は見えていない特徴なども、状況が変化すれば多くのものが見えてくる。特にこの札幌の冬場においては夏場と違って寒さや水の問題、暖房機に使用する燃料の違いなど多くの面で善し悪しが見えてくる。例えば、札幌の冬において一番気を付けなければならないのが、水道の凍結や破裂ではないだろうか。部屋に賃借人がいて暖房などを使用していれば問題ないが、一旦仕事などに行って、夜に帰宅すると水道が凍結していたりすることがある。いったん凍結してしまうと自力で解凍し復旧させるのは大変困難であるし、まず不可能である。簡単に考えれば、お湯などをかけたり暖房を強めで焚いたりして凍った部分を解凍すれば良いじゃないかと思われがちだが、実際凍っている部分は隠ぺいされた部分にある配管だったり、下の階が空室であれば縦本管そのものが空室の部分で凍ってしまう事もあり、思うほど簡単に解答は出来ない。そうした場合は速やかに業者さんを呼んで電熱線をまいたり、電流を配管に流して電気抵抗からでる熱を利用して融かしたりする必要が出てくる。もちろんその場合は有料となるため入居者としても何度も繰り返す事は手痛い出費となり、最悪の場合退去通達が出たりしてしまう。

 しかし全ての物件がそういうわけではない。実際全ての物件で配管内の水を抜いて凍結を防いでいるわけでもないし、部屋に入ったら相応に冷えているわけでもない。これはマンションの構造や立地が大きく関係している。まず、マンションと呼ばれる建物は基本的にコンクリート造や鉄骨にて作られている。これらは断熱性や耐久性に長けているが、その長けている部分が仇となる場合もある。基本的にはコンクリート造などであれば凍結などの恐れは低いのだが、今年はそれでも何件かは凍結し対応をおこなった。これは日陰であったり、上下階が空室だったりと条件が悪い事が原因だったりするがそれ以外にも原因はある。建築段階での問題である。主な要因としては断熱材の不足、壁厚不足、外的要因が挙げられる。これらが複合し、室内温度を保つことが出来なくなれば配管凍結などが起きてくる。これらの複合要因が重なった場合の対応というのは非常に困難で難しい。実行するにも簡単には出来なかったり、大きな費用がかかってしまう事がほとんどである。

 マンションはコンクリートなどでできているため耐用年数も長く、頑丈である。居住スペースとしても遮音性能や耐震性、断熱性の面から人気がある。しかしいくら人気があっても配管凍結や結露などの重大な問題を内包する物件であれば、その価値は危うい。表面上からでは見極めは難しいが、実際に見て、触って、周囲を調べる事である程度の想定はする事が出来る。悪い面も物件の「一つの顔」として受け入れなければならない時もあるが、そういった点を如何に軽減し、対策する事で改善させられるかが重要なのである。物件探しは思う以上に多くの事を見て、聞いて、調べることが必要である。そしてその物件を扱う職に就く以上、それらの事がすぐに引出しから出せるようにしておかなくてはならない。良い面と悪い面が必ず共存するため、それらを如何にうまく、快適に共存させられるかを提案できるようにしていくことが今後の不動産従事者には求められるのではないだろうか。