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11月レポート(2012/11)


営業部 草野裕樹

 日本には大きく分けて4つの季節があり、四季折々いろいろな姿を見せる。その一つ一つの姿に人々は感嘆し、愛でる。札幌の四季も表情豊かで初夏の穏やかな風が頬を撫でたかと思うと、かたや厳冬期の雪混じりの冷たい突風に身じろぎさせられる。その移り変わりを幾度も繰り返しながら、人々はこの地に住まう。不動産の取引にもこの四季のような移り変わりがあり、その都度需要と供給が、その時にあった表情をみせる。

 この時期の札幌は夏の暑さを忘れ、これから来る厳冬期に立ち向かうべく準備をしているといったところだろうか。市内の不動産取引を見てもそこまで盛んな取引とはお世辞にも言い難く、かといって全く駄目な動きでもない。決まるべきものは成約しているのだ。どのようなものが決まっているのかと言えば、オリジナリティを持つもの、間取りの広めな物件、割安な物など多岐にわたるが、全てを一つの流れに当てはめてみると少しだけ流れのようなものが見えてくる。

 現在の取引のなかで特に勢いがあるのが、間取りの大きめな中古物件の売買である。全てのものが勢いあるわけではない。都心部であれば比較的古い物件であっても多くの反響が寄せられているし、地下鉄駅から近いものなどは広告を打って間もなく申し込みが入るような具合である。一方、賃貸のほうはこの時期はすこし落ち着きを見せ、繁忙期のようなめまぐるしさはない。しかし、割安感のあるものなどは比較的早く決まる傾向にあり、局地的には申し込みの重複なども見受けられた。

 2カ月前は全く違った表情を見せていた。以前は賃貸において法人契約による契約が多く見受けられ、場所も中心部から若干離れた円山エリアや中の島、北24条や北18条のエリアが多かった。マンスリー契約も多く、人の移動に係る賃貸契約が例年以上にあることがそこからわかる。特に、人材の派遣や、サービス業における契約が多く、それ以外の業種に関しては皆無だったと言える。売買のほうでも投機的な流動資金が市内に投下されたせいか安めの利回りがたかい設定となっている商品が多く販売出来ていたと思う。

 このように少し時期がずれただけで全く違った需要、そして供給がでてくる。この違いについて敏感に感じ取らなければその時ある需要や供給について見逃してしまう事になる。しいてはその事による衰退をも招きかねないのである。手元にある情報だけではなく、外の世界より得る生きたそれを手に入れないと置いてけぼりを食らってしまうのである。この需要と供給のバランス、動きを敏感に感じ取り、自らのものにしたものが「結果」として享受出来るのである。これからの時期、雪が降れば一気に客足は遠のく。与えられたものを何とか捌いていくのではなく、自ら得たものをどうやったら付加価値を付けて取引できるかを考えるときに来ていると思う。