マンション投資の鉄人

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第九の鉄人

速報:中古の投資マンションはおいしい。 合理的判断は西洋人に学べ。

神奈川県厚木市在住 S.M.(不動産コンサルタント)

先週、ダーウインからマンション買取りのDMが来ました。

思えば昨年春の事です、競売の落札価格が上がってきたので市場での取引相場を知ろうと思い、久しぶりに10年来の付合いのダーウインの営業マンに中古物件の価格一覧表を送ってくれるように頼んだのです。そうしたらその回答がなんと仲介物件が無いという事なのです。


私が競売一本に絞り込む5~6年位前まで仲介物件は常に軽く数十件有りました。どう考えても仲介物件が無いというのは異常です。そこで知人に色々当たってみるとダーウインとその他数社が自社分譲物件を買い取っているというのです。そしてダーウインは親会社のシュローダー証券の関連会社がファンドに組み込んでいるのではないかという話なのです。この話は知人からの情報で裏を取った訳では有りませんが、仲介物件が無いという理由としてはありそうな話です。

しかし、考えてみてください。一方で収益率5~6%の新築を公然と売り、他方で収益率10%の中古を自社で買い取りファンドに組み込む、なんと利口なやり方でしょうか。本当に、ゴーンさんと同様の西洋的な合理性にあらためて感心致しました。


しかし、なぜダーウインは新築物件を売って、中古物件を買い取るというような面倒なことをしているのでしょうか。そうなのです、おそらく新築物件は収益率が低く親会社にとってファンドに組み込む投資価値が無いのでしょう。なんと恐ろしい事実の証明でしょうか。新築物件はグローバル スタンダードでは投資価値が無いと言っているのです。しかし、ダーウインは新築の分譲戸数を最近抑えているし、物件もタワー化をはかる等家賃に競争力が持てるよう努力の跡が伺えます、まだ良い方でしょう。

既に購入された方には申し訳ないのですが、私など多くの何の個性も無い新築物件の行く先を考えると弱ったヌーを見つけたハゲタカのようにわくわくしてしまいます。


それにしても、西洋人の竹を割ったような合理性には頭が下がります。私だけなのかも知れませんが、面倒だとか、波風を立てたくないとかそういう事が先に思い浮かび、なかなか合理的なアクションに躊躇してしまいます。

先月も競売で買った逗子マリーナの短期賃借権が終了するので、退去の強制執行をしなければいけなかったのですが、これが面倒で業者に穏便に運ぶよう調整をお願いしてしまいました。結局破談ですが、いやはや情けない話です。かつて、多くの不法占有者を退去させたように強制執行さえ行えば裁判所が淡々と事は運んでくれるのがわかっていてこのざまです。

皆さん、裁判所というと近寄り難いという印象を持たれていると思いますが、あそこは『正義の味方』です。訳のわからない事をいう人間は裁判所でしっかり判決を出してもらった方が良いです。ただ、殺人の時効が15年という事を知っていても借金の請求権が5年とか知らないと恥をかくので自分の権利に関する民法くらいは知っておかないといけません。

非常に基本的な話ですが、今回の例のように短期賃借権はその契約期間中は、所有権より強い権利になっていますので、自分で使うつもりの時は賃借権の有無には特に注意しなければいけません。蛇足ですが、もちろん契約期間が終了すれば権利は消滅しますのでその後は自分で使う事ができます。


10年前、日本の不動産は全く投資価値が無いと外資は言っていました。それが、遂にワンルームまで手を伸ばして来たとは恐るべき変化です。でも冷静に考えれば以前から紹介しているように既に西洋の不動産は過去7年間で3倍近くに値上がりしてしまい、収益率は5%を切ってしまっています。収益還元法が判断基準の彼らの眼から見れば日本の不動産は掘出物以外の何物でもありません。当の日本人は目の前にごろごろ有るからその価値に気付いていないだけなのです。

バブル崩壊直後、日本で買い手の付かないロールスロイスを米国に輸出して儲けた方がおられましたが同じようなものです。場所の違いによる利ざやは時間と共にその差が埋まって行きます。まだ、皆が気付かない内に価格がオーバーシュートしている物件を買いましょう。


私の好きな、ゴーンさんの名言に『できなきゃできる奴にやってもらう。』というのが有ります。動きの良い、できる業者と組めば、楽勝です、逆にできない業者と組めば最悪です。正直アパマンプラザが横須賀に有ればとつくづく思います、最近の賃貸管理会社の質の低下は目に余ります。