マンション投資の鉄人

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第九の鉄人

大学が逃げても地獄、できても地獄のアパート経営。  :他者の自滅を待つのも戦略。

神奈川県厚木市在住 S.M.(不動産コンサルタント)

厚木の産学研究都市『森の里』の象徴の青山学院が相模原に移転して一年が経ちました。アパートの空き室有りの広告は5月になっても道路を走っていて目に付きます。幸い私のクリオ愛甲石田は東京農大の学生が入居してくれたので助かりました。4月に決まらなくて管理委託会社を代えたのが良かったようです。5月は自宅から通っていてちょっときついなあという人の需要が有ると言っていましたが、その通りになりました。しかし、もちろん家賃はどん底で7%程度の収益しか上がりません。


しかし、青山学院はバブル崩壊のあおりを直に受けたようです。まあ、うわさ話なので誇張も有るでしょうが、なんでもバブル崩壊前、大学の駐車場は学生の数百台の欧州車で溢れていたそうです。それが、バブル崩壊で国産車になり最後は原チャリ・チャリンコになったそうです。私が引っ越して来た頃既に駐車場は荒れていましたから、確かに車で通う学生が激減したのは確かでしょう。


私は、この学生の金縮状態こそこれまで栄華を誇った中小企業経営者の没落を写す鏡だと推察しています。楽天フリマに出展される質屋さんの高級時計・ハイジュエリーとつじつまが合います。一部の優良企業の営業利益額更新の報道の裏で着々と進むこの構造調整こそ日本経済の負け組の実態ではないかと思います。


そう、大学が逃げてもこの有様ですが、実はできても悲惨になった例が有ります。横須賀では平成町に福祉大学ができるという事で当初アパート経営者にとってラッキーと考えられていました。しかし、ふたを開けてみると学生需要を見込んだ新築アパートの乱立で結局古いアパートはやられてしまいました。賃貸管理の不動産屋は空きアパートのオーナーにさんざん煽られたようで憔悴しきっていました。

逗子マリーナを任せていたエイブルもなかなか決まらないので、会社を代えたらすぐに決まりました。私はエイブルは大東建託なので、自社建築物件のオーナーにせつかれお客をそっちに誘導していたのではないかと勘ぐっています。こういう事は2年前には見られなかった事です。


厚木や横須賀など貸家の供給過剰の典型でしょうが、とにかく今はじっと他人が廃業するのを待つ事です。アパートは空くと急速に痛みリフォーム資金さえ回収できなくなります。そして、オーナーも年をとるとお金を使うのを嫌がるようになります。こうなればもう廃屋です。何度も言っていますがマンションは格が上というアドバンテージが有ります、家賃さえ下げれば必ず決まります。利益率は低くても空けないようにして貪欲に稼ぐ事です。


バブル以前、ファイナンシャルプランナーは中小企業に不況時売却できるようにと収益用不動産の購入を薦めたものです。つまり、中小企業は需要側にいたのです。そしてバブル崩壊後セオリー通り売り側に廻っています。中小企業の売りを個人の需要で吸収する事はできません。結局価格は需要と供給の理論通りに下がり続けているのです。

しかし、私は下がるのを待ちなさいとは言いませんでした。買える時どんどん買いなさいと言って来ました。いつも言っていますが、買値なんていうのは気持ちの問題だからです。今500万円で買っても年50万円の家賃が入ったとしたら、1年後450万円で買ったのと同じです。10%で廻せば7年で投資資金は回収できますから、極端な話ただで1戸貰ったようなものなのです。

どうも、皆さんこの運用益のマジックを理解できないようです、一度エクセルの自動計算で複利の計算をされたら良いと思います。10%という金利が元金をどれだけ急速に増加させるか唖然とされるでしょう。7年に一回細胞分裂をするマンションゾウリムシとでも言えば良いのでしょうか。7年経てば500万円ゾウリムシが2匹に、更に7年経てば4匹にという具合です。こうやってお金持ちはお金が細胞分裂の如く倍々ゲームで増殖して行くのでよりお金持ちになるのです。こうなって初めてお金のありがたみがわかるのです。

こうやってストックが生んだフローを再びストックとして積み増して行く、私はこうやって資産を増やして行く方策を入門偏の『にわとり算』、上級者の『自己増殖理論』と呼んでいますが、本当にペットが繁殖するようなものです。


皆さんもマンションゾウリムシを1匹飼われて繁殖の喜びを一度経験されるのが良いでしょう。この快感は飼った人間にしかわからないものです。

そして、時々このゾウリムシはジュエリーもじゃぶじゃぶ産みますし。