マンション投資の鉄人

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第二十五の鉄人

Ⅱ.今後の展開を考える 私のマンション投資の20年(12) 修繕積立金の注意点

鳥取県在住 T.T.

マンションのストック過剰は明らかです。組合員である我々オーナーは立て替えも視野に管理組合の協議に参加するか、若しくは手放し組合から離脱するか、決断を迫られます。持ち続けて決断を先延ばしにしてきた賃貸経営も否が応でも何らかの出口戦略を取らざるをえなくなるということになるでしょう。

賃貸経営をしていて、入居がなければ家賃を下げます。売却するか、家賃を下げるか。下げるとすればどこまで下げれるかがポイントです。一方、管理費が「限界まで安い」といことで、管理そのものが安かろう悪かろうではダメです。共用部が良い管理状態でなければ入居は見込めません。また、居住者は満足しません。不満足では退去につながります。

「修繕積立金が上がらなさそうな物件」ということで、管理費が適正であれば、持ち続けることが前提なら修繕積立金が高くなりにくいマンションがよいです。経年で共用部の塗装剥がれやタイル浮、鉄部の錆(最近は錆の出ない鉄以外の材質が使われているものもあります)、給水ポンプやエレベーター、消防設備のメンテナンスといっただいたいどのマンションでも必要な修繕費の出費は仕方ありません。マンションを維持するための宿命です。

建物そのものが見た目カッコいい、カッコよく凸凹している。壁面ミラー貼り・・・奇をてらったような形の建物は外壁の手入れで出費がかさみそうです。根拠はありません。売買広告を見るとそういうマンションの修繕積立金が高いのです。

一階がピロティ(柱だけ。壁なし。)の駐車場等であると耐震補強でお金がかかりますし、機械式駐車場は金食い虫です。ついている物件はやめた方が無難です。また、タワーマンションは避けたいところです。どう外壁をやり直すのでしょうか。足場にどれだけのお金がかかるか。一般に外壁補修の8割は足場代だと聞きます。タワーマンションでファミリータイプと思われますが、東京で修繕積立金が新築購入時当初の6,000円が10年後48,000円と8倍になった例があると聞きます。そのマンション、大規模修繕を考えると今の修繕積立金はまだまだ上げていかざるをえないということです。恐ろしい話です。

ネット上でよさそうな物件を目にします。ネット上に出ているということは売れていないということ。もっと言えば、その価格で売れないから出ています。内容をスクロールしてよくよく見れば管理費、修繕積立金がかなり高かったりします。「これだな、売れない理由」と思ったりします。低くてもいけませんが、高過ぎます。

「いざというときは売却してお金に替えればいい。」「マンションは同じ不動産でもアパートやRC、戸建と比べて換金性が高いから有利だ。」ということがよく言われています。それはそうだと思います。しかし、そのマンションが持って損(赤字)を出す物件だったとしたら、誰が買ってくれるでしょうか。またそういう物件を持つ人に銀行は融資してくれません。確定申告でプロの目から見れば一目瞭然です。賃貸経営の足を引っ張る不良債権です。

持つ物件が、「勝ち物件」か「負け物件」か。・・・「負け物件」なら、「売れない」「(お金)借りれない」「持ち出しが続く」の三重苦です。