マンション投資の鉄人

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第二十五の鉄人

Ⅱ.今後の展開を考える 私のマンション投資の20年(17) 入居審査

鳥取県在住 T.T.

入居審査は賃貸管理会社の担当者からの口頭での情報と入居希望者が記入する「申込書(入居者名簿)」からの情報で判断することになります。担当者から「申し込みがありました。こうこうこういう人です。」と電話があります。が、申し込み内容を「申込書(入居者名簿)」を読み上げてもらって確認するのではなく、実際に申込書の現物をメール送信等してもらい、自分の目で確認すべきでしょう。

なにを見るかですが、私は以下の項目をポイントとして見ています。

①申込書(入居者名簿)の記入状況
②本人の名前・性別と年齢
③現住所と現在お住いの物件内容
④実家の住所と実家の物件内容
⑤本人の年収
⑥連帯保証人は誰か。保証会社か。
⑦連帯保証人の年収
⑧本人の仕事、勤続年数、職場、職場のホームページ

上記についてだいたいいつも見ています。①の申込書(入居者名簿)は本人欄と連帯保証人欄に分かれています。全て記入され埋まっているか。本人の筆跡か。ここからご本人の気持ちの強さ、借りたい気持ちが本当なのかが分かります。空欄があったり、住所が町名までしか書かれてなかったり、筆跡が本人のものでなかったりすると「本当に申し込む気持ちあるのか?」の?マークがつきます。②の性別・年齢については経験上、男性なら40歳以上、女性なら30歳~35歳以上の近郊にお住いの方が長期入居の傾向にあります。③と④はグーグルの地図、ストリートビューで確認します。⑤の年収については年間の支払家賃の4倍以上あること。⑥の連帯保証人は近親者であること。友人でないこと。知人であればどういう関係にあるのか。保証会社であれば担当者に聞いて、会社の確認と保証内容、管理会社で使っての実績を確認します。ホームページでも確認します。⑦の連帯保証人の年収も本人の年収と同等以上か年間家賃の4倍以上であるかを見ます。⑧の本人の仕事、職場もホームページで確認します。地元の会社にお勤めの方は長期入居が多い印象があります。自営業の方は意外と短期入居の傾向があります。滞納も複数経験しました。

「この部屋の家賃、この方の年収でどうやって支払われるの?」等、疑問点は担当者に聞きます。年収は本人の自己申告制なので本当かどうかは賃貸管理会社の担当者の判断とホームページ上でご本人の勤続年数や仕事内容から判断します。

申し込み後の「契約はいつになるのか」も確認します。契約まで1週間程度。あまり長くなるようでその理由も具体的でないなら不安要素満載です。キャンセルの臭いもします。右上に引っ越し日記入欄があります。ポイントです。

その他ではこの度の「転居理由」が大切です。なぜ前の物件を退去されるのか。そしてなぜこの物件を選んで頂けたのか。「申込書(入居者名簿)」からは分かりませんので、案内し面談した担当者から聞くか、他の不動産屋さんからの仲介であれば、担当者から本人に直接電話等で面談してもらい内容を聞きます。「職場が近くなるので」とか「もう少し広い部屋を探していて」など、申し込み物件とご本人の話に整合性がとれているかがポイントです。 

申し込まれた人がどんな生活をしていかれるのか、長く住んでいただけるのかなどとなんとなくイメージします。そして重要なのは、いつまでに返答が必要か担当者に聞くことです。即断即決が求められることもあります。基本、申し込みの連絡が入った時から遅くとも24h以内にOK、NGを返答します。

ちなみに、この「申込」ですが、「申込」=「契約」ではありません。しかし、「申込」が入った段階で、一般的にその部屋の賃貸募集は中断されます。「申し込み中」となって募集のネット上から消えます。新たな申込者の受付はされません。よって、後日キャンセルで決まらなかった場合、この申し込みの段階から、キャンセル申し出の時点までは募集期間のロスタイムです。契約とならず流れる時も多々あります。その理由は様々です。

本決まり(契約)になるまで息詰まるものがあります。賃貸が動いているシーズンにこのロスタイムがあると、かなりの機会損失になりますが、一般的に、申し込んだ人のために「最終意志決定」という言い方は変ですが、契約まで待ってあげることになります。だからこそ、「申込書(入居者名簿)」をしっかり自分の目で見て、申し込み者の「この部屋に決めた本気度」を判断しなければなりません。そして「堅いかどうか」です。そこを見極めます。

本人が何かに妥協して迷って決めた入居は早期退去の遠因にもなります。疑問を感じたら早く断ることです。お互いのためです。