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「 廃校リニューアル  営業部 中尾 淳 」

 1992年度から2001年度までの10年間に廃校となった公立小中高校の実態調査結果と、廃校後の校舎など施設の転用例として「廃校リニューアル50選」が文部科学省より発表になりました。北海道内の廃校数は248校と都道府県別で最も多く寂しい結果となってしまいました。
 
 このまとめによると全国の廃校数は2125校あり、内12%を北海道が占め、以下東京(165校)、新潟県(143校)、青森県(110校)の順でした。廃校の理由は「過疎化」による子供の減少が全国の廃校数の60%を占め、廃校数の多かった北海道、新潟、青森では80%以上が「過疎化」だったが、東京都は「高齢化」に伴う子供の減少が過半数を占めた結果となりました。

 道内の廃校数が全国最多だったことについて「学校が多い上、一次産業の衰退で過疎化が進行している」からではないかと調査結果をまとめているが、札幌市内に置き換えてみますと、遅かれ早かれ東京都同じ減少がやってくるのではないかと思えます。現に市内中心部の創成小学校を中心とする3校が合併する事からも現実的な問題と受け止めなければならないと思います。
 
 また「廃校リニューアル50選」とは廃校施設再利用の優れた事例として選定されたものであり、道内では登別市の旧札内小中学校を農産物加工研究所として再利用されている「札内高原館」と深川市の旧向陽小学校を絵画などのギャラリーとして再利用されている「市ぬくもりの里芸術文化交流施設 向陽館」が選定されました。両校とも廃校理由は地域柄過疎化が原因かと思われますが、プラス地域の高齢化というのも背景にあり、この再利用につきましても地域住民・自治体を含め将来的にどこまで利用・管理できるかという疑問が生じてしまいます。
 
 しかし東京・札幌のような都心部は人の流れからも単純に違うと思います。東京都内中心部で問題視されている「2003年問題」等、学校だけではなくテナントビル・マンション等、古い建物全てに該当されてきます。六本木ヒルズを例に理想的な都市再開発計画もありますが、莫大な費用・時間を要し様々な問題も付随し容易な計画ではありません。これからは古い物を現代のニーズに合せる“新たなリニューアル・リサイクル”が時代の流れを行きそうな気がします。