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「 いかに入居率をあげるか 営業部 佐藤淳一 」

 入居率の低い物件には、立地条件などの問題もあるが、不動産である以上現在の建物でいかに入居率をあげるかが問題である。まず、原因を客観的に分析する必要がある。

1.家賃設定は適当か
2.内装状況は問題ないか
3.設備機器は新設、新調しなくてよいか

 バブル崩壊後の家賃相場は借手市場となり、家賃相場も相当下がった。貸主は、このことを十分に理解し家賃を設定することが大切である。相場より高い物権は立地条件がほかの物件に比較し非常によい場合や建物のグレードが格段によい場合を除いては契約にいたらず、長期空室になってしまうケースが多く見られる。特に移動の少ないシーズンの家賃設定は非常に難しく、たとえ相場としては妥当な家賃設定であったとしても需要が少なく決まらない場合もある。貸主側から見ると家賃を下げると利回りが下がるから下げたくないのは理解できるが、家賃を思い切って下げないために半年、一年空室となる場合も利回りが下がることと比較した場合、相場より10%程度家賃を下げたとしても短期間で次の借り手が見つかるようにしたほうがよいと思われる。しかし、ローンを組んでいる場合持ち出しになるような家賃設定は基本的にできないなどの事情があり、営業マンと貸主の話し合いが必要である。
 次に、内装の状況であるが、安かろう悪かろうはもう通用しない時代になっていることを念頭に置く必要がある。借り手は非常に贅沢で、内装状況が不十分だから安いという物件はさらに値下げ交渉されてしまうということもある。内装については現状回復での工事以外に、経年劣化により工事するかしないかのグレーゾーンの工事については、できれば貸主負担で経費とわりきって、一時的な負担が増えるとしても短期間で客付ができる内装を心がけるようにすることが大切である。
 最後に、設備機器の新設、新調であるが、古めかしい大きなストーブを最新のものと交換するとコンパクトでスペースも広く見えるメリットを考えて入れ替えも早めに取り組むことが大切である。