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元気ですか?貴方とマンション


マンション管理士 遠藤

先日社内健康診断を1年振りに受診しました。           

年齢を重ねると検査項目が多くなるものです。自分の身体は自分が一番よく知っているとは思っていても、いざ検査となると神妙な気持ちになります。



レントゲン検査や採血をしていると、身体の構造や仕組みといったものをイメージしてしまいます。

血液はサラサラと流れているか、骨格に歪みはないのか、臓器はきちんと機能しているのか等々...。



血管の流れはそのまま、建物の配管を思い浮かべることになります。

骨格は鉄骨や鉄筋の歪みを連想します。 血管が詰まって流れが悪い、錆びて靭性を失った鉄筋、時々息切れするポンプ。


人間もコンクリートも塩分の摂りすぎは体力(耐力)の低下につながります。


建物と身体はよく似ています。外観はお化粧でごまかすことができるけれど、中身はどうでしょう。


手遅れにならないように適切な診断と予防が必要なのです。

建築物における診断とは、その躯体・仕上げ・設備等の全部または一部について現在の状態を定性的、定量的に調査・測定することにより、その性能や耐久性の程度を評価・判断して将来の影響を予測するとともに、必要な対策を立案することをいいます。

適切な維持保全のために欠かせない重要な行為となっています。


「検査の結果ですが、あなたは痛風の数値が少々高めですから、ビールやおいしいものを控えてください。このまま今の生活を続けると歩けなくなりますよ」と診断結果を告げられるのと、「鉄筋が腐食しており、ハリにたわみが出ていますね。ほうら、ここにひび割れもありますね。漏水の自覚症状もおありでしょう?」と言われるのと同じようなものです。



建物診断の種類には劣化診断・安全性診断・耐震診断・環境診断・省エネ診断・システム機能診断があります。

この診断結果は短期修繕計画、中・長期修繕計画の立案や、資金計画の立案の前提となるものです。

そして規約改正を検討し、借入金等の対策、建築基準法その他関係法令の手続きが必要になってくる場合もあります。


区分所有者も建物も高齢化していく中で、このようなことをコンサルタントできる管理業者が求められる時代になったと思います。


人間も建物も丈夫で長持ちが一番です。とはいえ、万が一の時には無理なく修繕費がまかなえるような体制をつくっておかなければなりません。

管理会社主導方式のマンションが多い現状ですが、自分の身を守るのは自分なのです。

マンションドックも、高額医療費積立金も自分の身体のためと思えば厭わないと思います。

そして日々の管理費を節約することに目を向けるようになるでしょう。


幸い築○○年の私は今回の検査でどこにも異常なし。という結果でしたので、日々の管理費を老後の修繕費へと繰り入れることができました(笑)。