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営業部 草野裕樹
8月は不動産業界にとって「いい季節」とは言いにくい。2月や3月が人の移動や就職、進学などが重なり不動産の需要は自ずと増える。つまり不動産業界にとってはかなり「いい時期」なのである。マンションやアパートの賃貸だけではなく物件の売買も盛んになるからである。この循環を繰り返しながら不動産物件は動き回る。また、不動産はその時期に応じて動く品種、客層が異なる。例えばこれからの時期であれば、法人の人事異動があったり、専門学校などの推薦入試などの合格など動きがある。
私は、8月はその来るべき動きに備える時期としてみている。この時期に情報をしっかりとつかみ、情勢を把握することで他店より優位な立場が取れるからである。
ただ、動静もそうなのだが、人気のある部屋の間取りや形、外観など多岐に渡る情報を有する必要がある。ではこの情報はどこから入手するのか。これは実際に専門学校や過去の顧客などの話を聞くことで得ることが出来る。
ネットの反応やメールでの問い合わせ、飛び込み客の話や要望を聞き出すことも重要なキーポイントである。これが出来るのと出来ないのでは雲泥の差が出来てしまう。客の持つ情報が一回限りの情報ではなく、他の客層にも言える貴重な情報であることが多いからである。
また、企業や学校を訪れることで、学校側や企業が望む物件の大まかなイメージをつかむことが出来る。近いことはもちろんだが、賃料や間取り、駐車場の有無、など貴重な情報が得られる。専門学校の場合は入学する大まかな人員数や最近の需要などを教えてくれるし、企業は来る人間の役職や希望の場所、家族構成などを教えてくれる。
売買も投資用だけではく実際に住むことを考えてのお客もこの時期多かった。中心部だけではなく少し離れた閑静な住宅街や工業地域に近い場所、スーパーや銀行、病院などの施設が豊富な場所は特に人気があったような気がする。この場合、地下鉄や市電などの交通機関の条件は賃貸の場合と違って必要とされない場合が多い。
時期によって異なる客層、物件が人気になるが必要な情報を得ることで対応が可能となる。より細やかな接客と情報量の多さが夏の不景気を飛ばす起爆剤になるのだと私は考えた。