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草野 裕樹
先日、新婚旅行でドイツへ行きました。まずはイメージ先行で黒ビールとウィンナーソーセージ、石畳の古い城下町、きれいなお城といった具合でしょうか?実際関西空港→ポスキール国際空港→フランクフルト国際空港という順序で乗り継いでいったのですが、非常に国際色豊かで話されている言語も英語、フランス語、ドイツ語、何語か分からないような言語まで多くの人種に溢れていました。実際にドイツについてみると、日本人かと思いきや、中国から多くの観光客が来ているらしく非常に驚きました。
ドイツという国は周知の通り、歴史が非常に古く、古城や古い町並みがそのまま観光資産として運用されています。実際使用したホテルもかつての豪商の家を改修し運営されていたり、古城をホテルとして使用するなど異文化の古い歴史に非常に容易に触れることが出来そうなもてなしでした。初日はフランクフルトというドイツで5番目に人口の多い街に滞在したのですが、この街は金融の町として知られ、ドイツに本店を置く銀行は全て拠点をこの街においています。また、交通網も発達しており、地下鉄、電車、バスなど多くの公共機関が運営されており、交通渋滞というものは日本ほどひどくは無いという感じがしました。また、この街も中心部であってもアスファルト舗装の道と、石畳の道とがあり都心部にいながらほんのり歴史の古さを感じました。ちょっと違和感があったのは、公衆トイレは基本的に有料でフランクフルト中央駅のトイレは70セント、観光施設のトイレは50セント、アウトバーン(高速道路)上も50セントといった具合で有料化されており日本との大きな違いに戸惑いました。また、市内にはゴミ箱というものはほとんどありません。ゴミは自分で持って帰るかどこか建物内に設置されたゴミ箱に捨てるか位しかなかった様な気がします。駅のチケットは日本同様機械で切符を買って乗るのですが、基本的に改札はありません。よってキップの回収もありません。これには大きく驚きました。駅員はいますがキップのチェックをするわけではなく、ゴミを拾ったり、窓を拭いたり、見回りをしたりというのが基本で、切符を買う際の料金は完全自己申告制となっていました。もちろん不正乗車が見付かった場合は罰金が科せられるのですが、乗り方や購入方法など日本との違いが如実に現れていました。
二日目以降、ハイデルブルク、ローデンブルグ、ミュンヘンといった具合で廻ってきましたが、非常に興味深かったのは、ビルはあるのですが日本でいうマンションの姿がほとんど見受けられないことでした。ないことはないのだと思いますが日本と異なり区分所有ではなく、持ち家率が高いのではないかという推論が成り立ちました。実際街の中心部にはマンションらしきものは点在しておりますが数は少なく、郊外の一戸建てのほうが非常に多く見受けられたような気がします。また、日本の不動産業者のように歩道にのぼりを立てたり看板を置いて集客しているような業者さんは無く、募集は募集物件に貼ってある広告や看板などで集客し、現地待ち合わせで案内し見せてもらうというのが多いようです。日本はまず来店していただき、接客後、車で一緒に現地へ向かい内覧していただくという方法が基本ですが、ドイツのスタイルとは大きく異なっているのが興味深かったと思います。また、日本は日曜や土曜日、夜などもお部屋探しや売買の案内などを行いますが、ドイツは日曜日に仕事をしてはいけないという厳しい法律があり、もし破れば罰則規定もあります。一切の仕事というわけではなく、観光地の売店や、公共性のあるもの、警察などの特殊なものは普段と変わらず営業しておりますが、国の発行する許可証が無い限りそれは出来ないということでした。また、非常に景観に気を使っており、環境問題にも真剣に取り組んでいるような感じがしました。まず、家を建てる際も色や使用する材質も指定や制限があり、観光資産を強く守っているようです。ライン川沿いに全長500キロ程の観光ライン、「ロマンチック街道」というものがあるのですが、その両側に立ててある家はイメージで言いますと中世ヨーロッパをどこかイメージさせるような作りだったり、家の壁にそのような模様が描かれていたりしています。決して華美な家や景観を壊すような建築物は建てることも、置くこともいけないようになっていると説明を受けました。日本では京都や金沢で非常に強い景観条例が作られておりますがそれに類するものが条例よりも強く働いているといった具合で、それに適応しなければ建築許可は下りないものと推測されます。
日本における不動産の取引、動き、建築関係などと比較すると非常に厳密で厳しい制限が付されているのが印象的で、非常に興味深い比較が出来たと思います。使用材や法的制限など比較して生かしていけるものが多く存在すると感じた旅行だったと思う。