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原 琢
現在、サッカーのワールドカップが開催されています。
残念ながら、日本代表は志半ばで敗退してしまいましたが、その戦いぶりは見ている者の胸を打ち、負けたことを責める人は少ないと思います。
その日本代表も大会前までは、調子がなかなか上がらず、マスコミやファンから酷い扱いを受けていました。
それに負けず、むしろ逆境を糧にして勝ち上がっていった日本代表の方々には敬意を表したいと思います。
調子の悪い時は叩けるだけ叩いておいて、勝ちあがれば手の平を返したように賞賛するというのは、それ自体を非難する声もありますが、サッカーを始めとして、スポーツにおいてはよくあることですし、否定をする気もありません。
むしろその繰り返しが、発展の糧となるのかもしれません。
しかし、そのような批評というのは、スポーツや政治などの特別な領域においてのみ許されるものであり、日常では許されるものではないと考えます。
たまに「あれはダメ、これはダメ」と安易に負の言葉を撒き散らして、周りを不快にさせる人を見かけます。
そういった批評が嫌われるのは、その人達が「単なる批判屋」であるのが最大の理由と考えます。
例えば自分が100mを12秒で走れるとします。
100mを10秒で走れる人に「ここがダメだ」と言われれば納得するでしょう。
しかし100mを14秒でしか走れない人に言われれば、到底納得いくものではありません。
批評を受ける事は、受ける側にとってはそれが成長の糧になる事もあります。
それだけに、批評する側もそれなりの覚悟を持って「範」を示さなければ、成長の糧になるどころか、恨みすら買う事もあるでしょう。
「人間は感情の動物」と言われますが、単なる批判屋になる人は、自己満足主義者で「感情に負けた人間」であるように思えます。
そうならない為に、正しい批評ができるように、日々の精進を忘れず、冷静な判断を心がけていきたいと思います。