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三原 健太郎
先月各都道府県の7月1日時点の地価が発表されました。
全国では住宅地が21年連続の前年比マイナス、商業地も5年連続で前年割れとなりました。ただ、東京、大阪、名古屋の三大都市圏で見ると下落率が住宅地、商業地ともに1%以下と底打ち目前となってきているようです。
北海道においても住宅地で3.3%、商業地で4.8%のマイナスですが、その下げ幅は縮小してきました。それぞれの調査地点でみれば前年より上昇地点や横ばいの地点が増え、長期間続いてきた地価の下落にも底打ちが見えてきています。
下げ幅の縮小傾向の背景には堅調な住宅需要、都市部での賃料調整が進んでいることが挙げられます。
上昇地点は住宅地が4地点、商業地の3地点で住宅地のうち3地点が札幌市中央区の円山地区周辺、商業地も3地点すべてが札幌市です。
円山地区は環境の良さや利便性などで以前から需要が底堅い地域ではありますが、ここにきてマンション需要の回復が見られ地価の上昇につながったと考えられます。
商業地は札幌市中心部、特に札幌駅エリアでのオフィスビル需要が高まっていることが地価上昇の要因で昨年3月の札幌駅~大通駅間の地下歩行空間の開通による利便性の上昇が大きく影響しているようです。
ただ地価下落の一服は都市部のみで、札幌以外の都市は人口10万人以上の都市は下落率が縮小しているものの、小規模地方都市は地価の下落に歯止めがかからない状況で、留萌市では商業地の下落率が全国1位になっています。その他にも紋別市や芦別市、美唄市などの港町、旧産炭地域では下落率が高く、高齢化や人口の減少に歯止めがかからない限り、地価の下落は続くものと見られます。
北海道内においては今まで通り、今後も札幌の一極集中は変わらないと思いますし、特に中央区や利便性の高い地域は新規のマンション建設などが見られ住宅需要が回復してきています。マンション投資の面からみても地下鉄駅近辺などである程度条件の整った賃貸物件は空室も減ってきていますので札幌で物件の購入を考えている方にはいい機会と思われます。