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三原 健太郎
今年の11月で北海道拓殖銀行が経営破綻してからちょうど15年を迎えるそうです。
北海道拓殖銀行(拓銀)は北海道唯一の都市銀行として北海道経済の中心的役割を担ってきました。経営破綻の直後は資金供給の動きが鈍り、取引先等の連鎖倒産も相次いだようです。
当時私はまだ学生でしたので、よく理解していませんでしたが、当時商売をされていた方にとっては大変な出来事だったと思います。
拓銀が開業したのは今から100年以上前の1900年(明治33年)で、北海道の開拓事業への資本供給を目的に政府や民間の出資で設立され特に戦後は道内産業の振興に貢献してきました。それが、バブル期に行った乱脈融資がたたって不良債権がふくらみ1997年に日本の都市銀行としては初めて経営破綻、その影響も大きく97年度の道内企業の倒産件数は1,000件以上に上るそうです。
拓銀破綻前後と直近の経済指標を比べると多数の項目が道内経済の縮小を示しています。
人口や事業所数の減少はもちろんですが、不動産に関するものでも新設住宅着工戸数では97年度に57,551戸だったものが31,573戸に減少し、不動産というより建設ですが、国・北海道・市町村が発注した公共事業の投資額も97年度約2兆6000千億円だったものが直近では半減しています。
北海道の建設業界などは公共事業でなんとかやってきたと思っていましたので、あらためてそのような数字をみると驚いてしまいます。
ただ一方ではバブル経済の崩壊と拓銀破綻後の景気低迷の中で業績を伸ばしている企業も少なくないようで、薬局や家具製造小売り、スーパー、ホームセンター、飲食業などの企業では道外に出店を増やし業績を伸ばしているとのことで、そのような企業に雇用などを含めて北海道経済をけん引してもらいたいものです。また、地域的な特性を生かしたものでは観光や農業など成長が見込める分野がまだあるので競争力をつけて北海道を活性化していってもらいたいと思います。