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草野 裕樹
昨年末から新年にかけて、いろいろな事象が起きている。年末は毎年暮れにかけてバタバタと駆け込み需要や設備関係のトラブルが発生したりと休む暇なく駆けずり回る。火災が発生したり、水道管凍結に起因する漏水が発生したりと想定外の案件などもこの年末年始は対応した。特に今年は例年にないほどの寒波が到来しているため、水に関するトラブル、暖房機関係のトラブルが多い。機械的な誤作動や人為的なミスを含め意外な落とし穴などもあったりする。
今年も何件か既に発生しているが、冬場に一番怖いのが漏水事故である。先述の通り今期の冬は数年に一度の強い寒波が続いており、連日氷点下の気温が続いている。そのため給水管が凍結し、水の体積が1.1倍に増加することで配管内の圧力が高まり一気に破裂、滝のような漏水に繋がるのだ。この被害は該当する部屋だけではなく、その階下の部屋、斜め下の部屋などクラックなどを通じてあちこちに被害を及ぼす可能性が高い。また、その補修を行う間給水は出来ず断水するためその被害などもある。これらのトラブルはちょっとした予防方法で防げたり、リスクをグッと軽減できたりするものである。例えば配管が過去に凍結した事のある物件であればあらかじめ配管内の水抜きをしておく、入居者がいればその方法を教え、分からなければ現地に担当者が行って代わりにやって見せるなどである。この配管内の水落としは非常に有効で、本管から先の枝管を空にしてしまうのでそこからの破裂や漏水を防ぐことが出来る。また、給湯器なども内部にタンクがあるため破裂することもあるのだが、ブレーカーを上げたままの状態で電源が入っていれば、使用しなくても凍結を防ぐ温度を維持するようにプログラムされているため凍結は防げる。ちょっとした油断と過信が大きな事故につながるのは交通事故と一緒である。ひとたび漏水等の事故が起きれば大きな費用と長い時間をかけ補修していくことになるためである。
また、保険の加入も必須である。保険自体は非常に高額なものではなく、ちょっとした費用で万が一の際の賠償金や補修費などが賄える。また、この保険をかける事で、トラブルが発生した際の心労の大きさが全く変わってくる。こうしたトラブルの際、どういった理由にせよマンションの性質上、管理組合や管理会社、近隣住戸の入居者など多くの人たちと事故後の打ち合わせなどがある。それらを一つ一つ対応していたのでは非常にストレスがかかるし時間も要する。保険対応が出来る状況であればそれらのことが幾分かでも和らぐ。やるのとやらないのでは経済的に、精神的に大きく異なってくるのである。
ちょっとしたことをするかしないかで全く異なった結果が出てしまうが、実際はその状況下に陥らなければ分からないことでもある。転ばぬ先の杖を持つか持たないかは人それぞれだが、注意は払いすぎる事は無いのではないだろうか?