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7月度レポート(8/10)


営業部 三原 健太郎

 国税庁が7月1日に公表した2013年分の路線価(1月1日時点)は、標準宅地の増減率が平均で前年比1.8%減と5年連続で下落でしたが、下げ幅は12年分(前年比2.8%減)より縮小し、地価の底打ち感が強まっています。現政権の経済政策、(アベノミクス)への期待を背景に、全国の商業地域の回復基調です。実体経済の回復が伴う本格的な景気回復への期待が高まっています。

 全国的にみると都道府県別の平均変動率は昨年は全都道府県で下落していますが今年は宮城、愛知両県が上昇に転じ、その他もすべて下落幅が縮小です。
 28年連続で全国トップとなった東京・銀座の「鳩居堂」前が5年ぶりに下落から抜け出すなど、堅調な動きが目立ってきています。
 リーマン・ショック直後はオフィス需要も激減しましたが、企業は徐々に業績を回復してきていて東日本大震災を機に耐震性などを備えた新築ビルに移転する動きも加速し、条件のよい物件によっては賃料が上がっているようです。

 東京の5月末のオフィスビルの平均空室率は3カ月連続で改善していて名古屋や福岡の商業地区では4カ月連続、大阪でも2カ月連続の改善と、改善傾向は全国に広がっています。

 道内の路線価に関しては宅地での平均で前年比2.3%の下落となっていますが、下落率は前年より縮小しています。石狩管内では札幌市内が上位を占めていて、近年勢いのある札幌駅周辺は前年を上回り(中央区北5西3のステラプレイス前は道内の最高路線価。256万/㎡、2011年から上昇に転じています。上昇率が最も高かったのは北区北7西4の北口西通り+4.5%)、札幌市中央区の石山通他、各区の主要路線価も減少から横ばいに転じるなど下げ止まりが進んでいることを印象づけています。
 景気が回復基調で増税前のマンションの駆け込み需要もあり供給が追い付いていない状況で札幌に関しては今後都心部以外でも地価が上昇する可能性が出てきました。

 ただ地方都市に関しては依然厳しい状況です。北海道新幹線の開業を控えている函館市内でも下げ幅の縮小は見られますが、以前下落傾向です。網走、留萌等では10%以上の下落が続いている地点もあり、需要のない地域は景気に関わらず下がり、札幌の一極集中はしばらく続きそうです。