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10月レポート(10/8)


営業部 草野 裕樹

 札幌には既に秋風が吹き、あと一カ月ちょっともすれば冬タイヤへ履き替えが必要な時期になる。毎年この時期になると今年の冬の不動産動向が気になりだす。
 近年の秋口は法人などの秋移動が減ったせいかそんなに慌ただしく部屋を探したり売買のほうでも動きが盛んだったりという動きは見られなかった。ゆっくり物件を見て、数ある候補の中から希望の条件をなるべく満たすような物件を決めていくというような動きが主だった。実際夏を超えた物件はなかなか決まらず次の繁忙期まで塩漬けになるものも少なくない。
 もちろん賃貸を付ける現場としてもそうならないようにあの手この手を駆使するわけだが、今年はそのような策を弄さなくても反応が上がってきている。

 八月から九月にかけてはまだ札幌もそれなりに暑く、夏の疲れを引きずっているような感じがする。暑いうちは部屋を探すのも引っ越しをするのも億劫で通常の状態では動きは鈍い。
 札幌は秋に差し掛かるのも本州に比べて相当早いのだが、今年の動向においてはその秋の駆け足よりも早い勢いで賃貸物件並びに売買物件の取引件数が伸びている。これは何か引き金になっているのか?

 例年であればのんびりとしている時期に毎日のように新規の案内の予定が入る。一件二件ではなく多い日には3件、4件と続く。それが現在も続いている。
 特に法人の動きは活発で医療関係、サービス関連企業に大きな動きを見受けられる。また動くものについては、賃貸売買を通して言えるのが自分の支払い能力に若干背伸びをしたような具合のプチ贅沢、プチ余裕のような感じの物件に人気が集まっている。
 市場に資金が溢れているような実感はないが、消費者の動きを後押しするような要因があるのは間違いない。それが現在日本が進めている政策なのか、それに影響されて高値の続く株価の影響なのかは分からないが景気の上昇感が消費者から感じられる。
 消費そのものに勢いがあり、この状況が続けばという期待感はあるがそれは微妙なところであろう。実際は景気自体の伸びはそれほどまで大きくは無く、市場に資金が回ってきているような感じもあまりない。むしろあるところにはあり、ないところからはもっと無くなっているような感じさえする。不平等感のある景気回復のような状況が続いているのではないだろうか?

 しかし従前より人気の高い市内中心部、円山エリア、北大周辺エリアは勢いを増して成約し、需要はその周辺に集中しているような感じがする。物件が無くても反応があり、空きが出ると早めに決まる。
 売買についても実際に使用したいという需要が強く、小さな部屋でも一人で住むのであれば差し支えない程度の大きさであれば普通に取引になっている。また現在賃貸中でも購入を検討し、入居者が出るのを待って、もしくは6か月以上前に解約予告を行い退去してもらった後に自己使用するなどの希望も出てきている。
 多種多様な需要が出てくる事は不動産業界にも決して悪い話ではないが、そこから派生するトラブルにも注意が必要である。不動産はその辺でお菓子を買うような安い取引ではない。安易な要望、安易な期待は返って高くつく事もある。

 取引が増えてきている中で、取引に携わるも者として多くのケースに携わり経験を積んでいきたいと思う。