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12月レポート(12/7)


営業部 草野 裕樹

 札幌の冬は言わずと知れた極寒の世界である。今年はまだ耐えられる程度の雪と寒さでしかないがこれから年末に向け、厳冬期と言われる一月、二月を迎えるに当たりどんどんその強さ、勢いは強まっていく。この時期になると設備の故障やトラブルが多くなり、日々何らかしらかの対応や修理の依頼の電話応対を耳にする。マンションも新築であればそのような機器類の故障も少ないのであろうが、古くなってくると人間と同じようにどこかしらかに不具合が現れ、対応や対策が必要になってくる。それを放置すると問題はどんどん大きくなり、最終的には取り返しがつかない事態になってしまうことすらある。

 マンションにおいて重要な機器と言えば「給湯器」「暖房機」「配管類」であろう。これらは云わば消耗品であり、永遠に使用できるという代物ではない。必ず摩耗や損傷、劣化が発生し交換や修理が必要になってくる。そのペースや交換するスパンは違うが必ず必要になり、実行しないで放置すると当該物件だけではなく階下や近隣の所有者、入居者に多大な影響をおよぼす結果になりかねない。また、使用することが出来ない事のストレスは非常に大きく、占有者に公衆浴場へ赴いてもらったり、代替ストーブの貸与など多くのケースにおいて人的、費用的影響が発生する。入居者は普段の生活が出来ない事によるストレス、貸主は突発的な費用の発生によるストレス、そして管理する立場にあるものは両方から板挟みになるストレスと多様である。不動産というものに携わる全ての者は宿命的にこの問題に携わる事になる。

 ではこの問題は未然に対応できないものだろうか?結果から述べると、それは「可能」なものである。費用対価こそ発生するものの、発生してから受動的に対応するのと、発生前に能動的に対応するのでは全く異なった結果を招く事になる。事前に対応することで入居者の負担は少なくなり、貸主は事前に対応することで被害の程度やその復旧に係る費用を軽減することが出来る。また管理する側は事前の提案・対応を行う事で無駄な動きと精神的なストレス、そして現地確認や工事手配・スケジュール調整などの煩雑さから解放されるのである。

 しかし全ての状態が事前に対応出来るわけでもない。予想もしないところからのトラブルや上階・下階・共用部分からの被害なども関与してくるケースもある。それらについては対応こそ難しいが、専有部分のみを対象として考えると事前に対応することでおおよその事はカバー出来ていくのではないだろうか。ただしそれらの事前の対応をするには豊富な経験と緊密なコミュニケーション、そして物事に対する判断能力が必要である。多少の事であれば放置して見ぬふりをするケースも見受けられるが、それは絶対的に後々に跳ね返ってくる。豊富な経験と対応能力を磨き、事前の提案と退去立会の際の聞き取りにおける判断能力、予想能力を高めていく事がこれからのマンション管理に必要な能力と言えるのではないだろうか?