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営業部 草野 裕樹
アベノミクスに沸いた平成25年は他の年と違ったのか・・・?株価が高騰し景気の上向き感も現実味を帯びた。景気の好調感に引っ張られて不動産価格も上昇傾向が見受けられたが全ての物件がそういう美味い話になったわけでもない。ではどのような動きを示した不動産がどのような動向を示したのであろうか?
平成25年の不動産動向を振り返ってみると市内中心部において1LDK程度の大きさからのものが非常に良い動きと高値を付けていた。3年前であれば売れなかった物件が飛ぶように売れる、広告を打てば素早い反応がある、多少の高騰感はあっても勢いに押され成約となるなど品薄状態が構築された。単身用のちょっと大きめな間取り(2DK~3LDK)の動きが特に顕著であった。もちろんファミリー向けの3L~4Lも好調な動きを見せていたが、単身用のそれと比べると勢いは劣っていたと思う。また投資物件に関しても動き自体は良く、売り物も今とばかりに多く売りに出て成約していった。それに伴い価格のつり上げや売り惜しみなどの動きも現れ現場が混乱するような場面なども見受けられたがそれがあっても需要は高く動きの変化や中心部回帰志向の衰えは伺えなかった。それほどまでに勢いは付いてきたのだと思う。その根底にあるものは何か?
内閣が変わり国のかじ取りが大きく変わった。まず何が変わったかというと少しずつではあるが資金的な動きが大きくなり、それに伴い小金を手に入れる人々が増えた事だ。株式投資にしても不動産投資にしても価格が高騰しているが故の純利益構築がしやすくそれを手元にストックせずまたそれを投資するという形が形成されている。また一般の家庭においても景気の好調感からか借家から持ち家に切り替える家庭なども多く見受けられた。持ち家を「資産形成」の一部として動く家庭も増えてきた事にも起因している。つまり今ある資金の有効活用を考える人々が増えてきた事を意味する。
しかし全ての不動産動向が上向いているわけではない。マンションや投資物の動きは好調を示したが、テナントや戸建て売買においてはやや鈍化しているような気がする。特に中古戸建てについては市場にストックも多くマンションと比較すると明らかに大きな動きの差が見て取れる。札幌の場合戸建てに居住する場合は厳冬期の除排雪や維持管理、近隣との協調など多くの事案を自ら行わなくてはならないという問題がある。そのため高齢者など除排雪等の作業が出来ないような家庭などは戸建てを手放しマンションに買い替えるという動きなどが目立った。高齢者でなくともその動きはあり、若いファミリーなどは、より中心部の物件への移動だったり交通利便性の良い地下鉄沿線上への移動をしたりという動きが目立った。
景気の好調感のなかでの不動産動向は動きを増すばかりだが一方的な右肩上がりではなく、それに対して相反する動きも見受けられる事が見て取れる一年であったと思う。平成26年にはまた違った動きが出てくるためその動向を見逃さない感性と勘が求められるのではないだろうか?