教えて!!Mr.アパマン

<<一覧へ戻る
11月レポート(11/15)


営業部 草野 裕樹

 11月は不動産の動きも緩やかで動向については目立つもの、特筆するべきものはない。しかしその中でも動きは全くないわけでもなく、需要そのものもそうであるが潜在的な需要及び前哨的な需要は返って春先よりも強いのかもしれない。
 9月、10月にある「移動時期(引っ越しシーズン)」が無くなったと言われて久しくなる。全くないわけではないが、かつて春先に次ぐぐらいの勢いがあった転勤や引っ越しの数は激減している。これは企業形態が既存のものにとらわれることなく、春先の移動、秋の移動というカテゴリーを無くし必要な時に必要な人員を、必要なだけ送りこむという戦略が出てきたからである。そうすることによって企業は抱え込むストックのリスクを減らし、余剰人員等のコストを削減し前に進もうとする姿そのものなのである。また、ネットが世の中に浸透した影響により、手早く、かつ簡単に不動産の検索ができるうえに以前よりも室内の状況や周辺環境、担当者のおススメポイントなどがより分かりやすく掲載されていることが多くなった。これは借りる側からすればわざわざ店頭に赴いて長ったらしい説明を聞いたあとに接客してくれた担当者と現地に行って実際に見たり触れたりするという大きな手間や時間が省かれ、ある程度借りたいもしくは買いたい物件の抽出がしやすくなったということが言える。最終的な確認は現地に行ったり話を聞いたりしたりして契約するかどうかを判断することになるが従来の半分以下の労力と、倍以上の広いレンジの視野と選択肢になったと言えるのではないだろうか。
 しかしその分シビアになった部分もある。特にネットを検索することで多くの情報が手に入る分、その供給する側はより正確で詳細な情報を整える必要があるし、同じようなことを大量にやっても検索にすら引っ掛からないような状態になりかねない。また情報の多さを逆手に取り囮を使ったり、断定的な情報や意図的に困惑させるような情報をもって契約を誘引するような策を弄するところも必然的に出てくる。全ての情報が正しく、正当なものであるとは限らなくなってしまうのである。
 部屋探しにおいて情報が多いというのは一般の消費者からすると良い状況下にあると言えるが、それは正当な情報であることが求められる。間違った情報や消費者を誘引するだけの情報があふれれば、それは決して良い状況下にあるとは言い難くなるのである。また情報が氾濫しているため急いで決めなくても良い、他にも物件はたくさんあるというおかしな安心感も植え付けかねない。そういった弊害をなくするような情報公開と、実際に反響があった際の正しい情報提供が、この季節感なくバラけた消費動向に対抗できる唯一のすべなのではないだろうか。