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平成28年1月月報


営業部 草野 裕樹

 新しい年が始まって既に1週間が過ぎた。昨年は不動産価格の上昇と賃貸の動向の変化が著しく、今まで経験してこなかったようなスピード感が必要であったと思う。そのスピード感が失われれば、不動産の動向や需要の動きについていけず取り残されてしまっただろう。そのために店をたたむ不動産業者、店舗を集約し巻き返しを図る業者なども多く見受けられた。平成28年がどのような動きを見せるかはこれからの話ではあるが、昨年と比較すると「トーンダウンする」というのが大勢の見方のようである。これは私も同感であり、その勢いは結構なものとなるのではないかと推測する。ただし、消費税増税前の駆け込み需要が前回のように発生するのであれば、全く違った動きを見せることとなるだろう。消費税が8%に増税となるときも結構なうねりを見せた相場観であるが、今回の「10%」という数字がどの程度の上昇気流と、それに対する下降気流を持つのかは未だ不透明、言葉を変えると嵐の前の静けさなのかもしれない。どのように向かって進むにしても不動産と市場原理は直結しており、相応の動きがあるため動向には注意を要するであろう。

 また需要のある場所やその需要の詳細については変化が生じると考えている。札幌においては市電のループ化が完了し、運行を開始している。実際市内各所で市電の乗降を見る機会があるが、乗降数は確実に増えているように思う。運行が始まったばかりなのでご祝儀的な乗車も多いのかもしれないが、完全にループ化したことで利便性は高まり、利用の幅も上昇していると推測する。気を付けなければならないのが天候により遅れが生ずる恐れがあること、本数や利便性の上で未だに地下鉄のほうが優位性を保っていることなど、過剰に市電沿線に不動産的な期待を込めるのは無理があると思う。基本的なスタンスは変わらず、そのうえで市電沿線も良くなってきたという形で捉えておくのが自然的な見方であり、過度の期待を持たないレンジとなるのではないだろうか。
昨年はマンションのみならず戸建ての販売数もやや回復してきたという話も聞いている。数年前は戸建てが多く売りに出され、マンションへの買い替えが多く見受けられたが、若い年代層がやや郊外に戸建てを購入し移動をしている話がある。これはローンが組みやすくなっていること、その他政策により購入しやすくなっていることが影響していると思われる。この流れはもしかしたらしばらく続くのかもしれない。

 まだ平成28年は始まったばかりだが、動きは激しく、「すでに一月も半ばに差し掛かりつつある」と捉えるべきなのかもしれない。