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営業部 二瓶 卓真
東日本大震災から5年が経とうとしている今、各方面で災害時のIT活用が進んでいるという。
災害時一斉に社員の安否確認が可能なシステムを導入している法人が増えているというのは前にテレビで見たことがあるが、今回は、マンション災害でのIT活用について調べてみた。
マンション管理における防災対策はまだまだ発展途上であるが、今まさにそのマンション災害について本気で考えなくてはいけない時代が来ているという。
その背景には、ここ数年メディアでも騒がれている首都直下地震がある。
もし首都直下地震が発生した時、救助は最も危険な木造密集市街地帯に人員を投入しなければならず、マンションにまでは手が回らないことが予想されるからだ。首都圏は警備対象も多く、皇居、官公庁、外国公館等は、200カ所以上もあるらしい。それらの警備だけでも大変だということを考えると、その予想がただの予想だとは思えなくなる。
それに、いくら堅古・不燃と言われる新耐震基準のマンションといえども、被災は免れず、相当な被害を受ける可能性は大いにある。
ITが初めて大地震に利用されたのは、東日本大震災の時からと言われている。その前の阪神淡路大震災では、「電話がつながらない」という大問題が発生した。重要通信を確保するため、一般電話の通信制御を実施し、通信障害が地震発生後連続5日間続いたのだ。ところが、東日本大震災では、NTTドコモが一時メールを規制したものの、すぐに解除。他社は全く規制しなかったため、インターネットなどのSNSが機能し、通信手段が確保された。
そもそも、インターネットが災害に強いのは、どこを経由しても通信ができるシステムとなっており、ネットがつながらない場合でも、なかなかつぶれにくい構造になっているからだ。
あるITソリューション提供会社では、防災ソリューションとして、緊急時のマンションポータルを立ち上げ、災害時の対応指南・連絡先一覧の登録や安否確認状況の確認、マンション内の情報収集・共有もできるよう、スマートフォンで常に見られるようにできているという。
また、マンション向けのネット接続サービスを提供している会社では、災害発生時に家族の安否確認と、管理組合の災害時活動を同時に支援することができる「マンション専用の災害時支援サービス」を提供しているという。気象庁の緊急地震速報に連動して、地震発生後のメール混雑の前にお知らせメールを送信、自動ログインで簡単に安否の確認ができ、家族間の相互連絡もつながりやすい仕組みになっているのだ。
今回は首都直下地震ということで、東京を例に挙げたが、我々の住む北海道だって決して例外ではない。
いざというときにこれらのサービスをスムーズに活用するためにも、普段から興味を持ってITツールを上手に使うことが大事になってくるだろう。