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10月レポート


営業部 草野 裕樹

 今年もまた宅建の試験の月がやってきた。毎年このころになると社内でも何人かの受験あり、そのたびに一喜一憂があるものである。私が宅建試験を合格したのははるか20年も昔の話だが、そのころとは不動産を取り巻く状況は大きく変わってしまった。
 私が宅建を取ったのは20年前、大学在学中の話である。そのころは就職も超氷河期と言われ、大学生ですら一社内定をもらえるかどうかという時期であったと記憶している。私は特に何かに優れているわけでもなく、何か際立った特徴があるわけでもなく、ごくごく普通の、どこにでもいる大学生の一人だったと思う。そうなれば人を雇う側からすれば九牛の一毛のごとく、私を探そうと思えば他の誰もがそれに見えるし、逆に私ではなくとも代替する人間は山のようにいるといった具合である。それを自分なりに理解していたため何かしようと思って講義を受けたのが始まりだったのを覚えている。学校で勉強していることはほとんど役に立たず、週二回大学へ訪れて頂いた専門学校の講師の方の授業と購買部で買った参考書、問題集のみが頼りで、最初は何をしてよいかわからず、かつ不安と焦りに押しつぶされ、やめとけばよかったと何度も思いながら支払った15万円くらいの費用が勿体無くて頑張った記憶がある。頑張った動機は15万円が勿体無い・・・くだらない理由だったのである。それまで大学入試以来踏ん張りを見せたことが無かったが、国家資格を取りに行く以上は頑張るという気持ちも少しずつおきて、10月入るかどうかというときには模試でもそれなりの結果は残せるような具合になっていた。結果は一発で合格できたが、これはまさに学生で時間がいっぱい使えたから、頑張れる時間と頭を休める時間が取れて、合格した。それに尽きると思う。
 今社内でも何人かの社員が宅建を受験するため頑張っているが、本当に大変であると思う。あるものは学校へ通い、あるものは独学で頑張る。人それぞれにやり方がありどれが正解というものは無い。合格すればそれが正解なのである。
 ではなぜ大人になって資格を目指すのか?それは自分に箔をつけるためでもあり、スキルアップのためでもある。そして万が一自らに何かあった際は、その資格を糧に再起することができるかもしれない。そう思うためではないだろうか。経済状態は良くなったと言われているが、普通の生活の中では全くその感じはなく、むしろ悪くなってきているような気さえする。その中で戦うために資格を取る。他の人より一歩前に出るために資格を取る。特に不動産業は2人の優秀な営業マンがいて売り上げがガンガン上がっても、どっちかが宅建士でなければ不動産業営むことは出来ない。つまり2人の優秀な者より、一人の宅建士のほうが重宝されるケースもあるのである。
 不動産の世界は資格があふれている。国家資格もあれば民間資格もある。どれを取得するかは人それぞれだが、その根幹にある「知識を付ける」ということを少しずつでもしていけばいつかは華が開くのかなと考えている。