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営業部 二瓶 卓真
前回札幌の地価動向について取り上げたが、次は世界的なスキーリゾートとなったニセコについて取り上げたいと思う。
昨今、ニセコに別荘を持つというのが海外富裕層のステータスとなりつつあり、現地にはオーストラリアやアジアからの観光客が多く、外国人観光客の人気スポットとなっている。こうした動きを背景に、このエリアの地価は今年急激な上昇率を見せたという。ニセコ観光圏の俱知安町(くっちゃんちょう)が、住宅地の全国上昇率のトップ3を独占、商業地の全国上昇率もトップとなったのだ。
その背景には、北海道新幹線の延長建設工事の進展や高速道路事業の着手、外国人による別荘地としての取得需要、外国人観光客の増加に伴う市街地における店舗需要やリゾート施設の従業員も含めた宿舎ニーズの高まりで、別荘・ペンション・コンドミニアム・ホテル・アパート等の需要が強い、という要因があげられる。
また、周辺エリアの町村も含めて需要が高く、欲しい物件を手当てしようとしても、供給が限定されていることから、即決できる買い手が優先される状況になっているという。具体的には、ニセコ町での札幌企業のアパート建築などの投資が活発なことと、外国人定住者の増加で、続々とニセコの土地を購入していることが挙げられる。オーストラリア人に加えて、最近では中国人や、香港・台湾人などのアジアの客層も別荘建築に着手しているようだ。また、近隣の留寿都村のリゾート投資や、岩内町の外資によるスキー場取得など、投資の動きも広範囲に及んでいるという。
一見喜ばしいことではあるが、どこかの観光地のように投機目的がほとんどで、結局都市全体の繁栄には貢献されませんでした、という一時的な流行に流されるようなことがないように、きちんと戦略的な取り組みを期待したいと思った。