部屋探し体験談

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札幌賃貸マンション部屋探しについて

北大法学部4年C.Z

私は中国からの留学生で,来日してから五年目になった.そのうち最初の一年間半は神戸で過ごし,その後は札幌で暮らしている.今まで,私は四回引越しをし,部屋探しも八回を経験したことがある.



最初の部屋探しは2001年の10月に神戸駅の近くにある「Kホーム」という不動産会社へ行った.まず何にも経験のない私の代わりに,何年間も神戸に住んでいた友達は探してほしい部屋の希望を申し込んで,店員はいくつかの物件を紹介してくれた.実際の部屋も見に行った.



 友達がいろいろ交渉して,やっと保証金30万円,解約引20万円,家賃月3万6千円,契約期間2年間との条件で合意ができた.私の場合は日本人の保証人が近くにいるからスムーズに行ったが,保証人がなければ,また保証人がいても外国人に貸さない家主も少なくないと友達が言った.



 原因は言葉が通じなくてコミュニケーションできないとか,食文化によって,インド人の部屋はカレー臭い,韓国人の部屋はにんにく臭い,中国人の部屋は油汚れがひどいなど様々であった.聞き慣れてない保証金,解約引などの言葉が耳に入ると違和感があって,なぜ2年間だけ住むのに家主にそんなに大金を払わないとだめなのか,30万のうち10万だけ私のところに戻るのかはどうしても理解し難かった.



 しかたがなく,郷に入っては郷に従え.正式の契約になって,保証金,仲介料,保険,当月分家賃合計で40万円を払った私は,全財産が奪われた感じで,心細かった.そのときの私の心境はまるで俎板の上の魚のようだ.どんなふうに捌かれたか自分で決められなかった.



札幌に着てからの部屋探しはほとんど北大関係のR社を通じてできた.留学生課の課長が保証人になってくれる.そのうち印象に残ったのは2003年夏のことであった.お金を節約するため,他の留学生とルームシェアを考えた私と友達2人はR社の案内で部屋を見に行った.



 だいたい決めたところで,マンションの管理人の話によると,そこに住んでいた留学生が延滞賃料,ゴミ不分別などトラブルがあったので,家主は外国人の借家を断るというのだ.ショックであった.差別ではないだろうか?どうしてそんなことになったのか?留学生全員が悪くはないのに...私と友達は落ち込んでいた.



 その後よくよく考えると,家主の立場から見ると理解できないとは言えなかった.確かに,そこに住む留学生が契約ないし共同生活に必要なルールを守らなかったことは悪かった.留学生は外国にいる以上自分の後ろに祖国という大きな看板があって自分の行動を慎むべきである.下手な行動をしたら,祖国ないし他の留学生に悪い影響を及ぼし,迷惑をかけてしまう恐れがある.



あとは同じ日本でも,敷金の額は地方によって違い,また需給状況によって変動する.一般に関東では家賃2ヶ月分くらいが多いが,関西では6ヶ月から10ヶ月分くらいにまで及び,北海道は一ヶ月分くらいが多い.以上が私の日本での部屋探しであった.ご参考になれば幸いである.