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第三の鉄人
東京・三鷹 H.H.
ガイドラインを作ろう
前回は、東京でアパートやオフィス用マンションを購入できなかったことが、逆に非常にラッキーだったという記をした。私は東京で物件を探している一方、札幌では投資用マンションの的を絞っていた。
これまで手が出し難かった中央区のワンルームマンションの価格が93年ごろから下がり始め、500~600万円で購入できるようになってきた。物件を良く探せば、利回りも8%を充分に超える。そこで私は、中央区を狙って、マンション購入のガイドラインを作った。と言っても、別に文書にした訳でなく、ただ頭の中に入れていただけだったが。
それを、ここで初めて文書化してみると、次のようになる。
①中央区の東西線で駅から5~6分以内。
②建築は昭和55年以降(当時で築15年以内)。
③利回り8%以上。
④グレードは平均より上で、比較的高いこと。
中央区の東西線の駅は6つしかない。バスセンター前、大通、西11丁目、円山公園、西28丁目である。なんとなく頭に描いたガイドラインだったが、例外はあったものの、基本的に踏み外したことはない。現在では、このガイドラインがさらに厳しくなっている。(これについては別の号で紹介予定)
ガイドラインの作成以降購入した8つのマンションの中で中央区以外の物件は、東区、南北線北18条駅徒歩7分のメゾン・ド・カナル(500万円、利回り8.6%)のみ。しかし、この物件は、平成2年の建築であり、②の「建築は昭和55年以降」と④の「グレードは平均以上」という条件は、大幅にクリアーしているので、トータル的にOKだ。
中央区の東西線沿線でワンルームのあるマンションはそれ程多くないのだろう。地域や築年数、グレード等を限定すると、自分が興味を持つ物件は、非常に限られる。ほとんどの場合、これまで案件として上がってきて、調査したものばかりとなった。後は話は簡単で、値段が下がって、利回りが上がるのを待つだけとなる。私はこのガイドラインを元に92年待つに1戸、93年に3戸、94年に2戸、95年に2戸購入している。
楽して儲ける
地方都市、札幌と言えども、人口170万人を超える大都市であり、札幌市全域を投資対象として考えるとかなりの労力を必要とする。市全域を守備範囲にすると、良さそうな物件は次から次へと出てくるだろう。しかし、新しい物件は、情報の蓄積がないので、購入の決断は簡単にはできない。本当に良い物件は速決が要求され、データーを集めようとぐずぐずしていると、他の人に持っていかれてしまう。そんなことの繰り返しになるだろう。
また、その度に情報を新たに入手し、あらゆる角度から総合的に検討するのは、かなり骨の折れる作業だ。経験されている方は
お分かりだろう。自分のお金で数百万の投資用マンションの購入をするのは、かなりのエネルギーを必要とする。これを毎回やっていては疲れてしまう。(私も初めのころは、そうだった)少ない労力で、より失敗のないマンション購入をしたいのであれば、物件の的を絞ることである。
もちろん、初めは自分独自のガイドラインを作り、自分だけの目標作りをする必要がある。そのためにはある程度の努力が要る。しかし的を絞ることができれば、プロにも負けない情報が蓄積され、本当に高いか安いかを判断できるようになる。今まで検討したことのない物件でも、ガイドラインに沿っているものであれば、相場はすぐはじけだせる。
獲物は寝て待て
さて、「値段が下がって、利回りがあがるのを待つのみ」とはいったい、どういうことかと疑問を持つ方も多いだろう。現在でも依然、不動産価格は、多少の下降傾向にある。「マンション情」に載せても、売却できない物件は、少しずつ値段が下がっている。ここまで言えば、お分かりだろう。狙いをつけた物件が、自分の条件の価格まで下がるのを待つことだ。しかし、これは自分の条件が厳しければ厳しい程、途中で他の投資家に持って行かれてしまうことが多いのも事実である。それを防ぐためには、安くなったという情報を入手して、即、行動をとれる情報の蓄積をしておくことだろう。絶えずスタンバイ状態にあることだ。
今一つは、買い手が付いたものの、ローンが通らなかった物件を待つという作戦。売り主は、売却できたとの喜びもつかの間、買い主のローンが通らなかったことでがっかりしている。そこで
新しい買い手のあなたの立場は強くなる。価格交渉ができ、もう一段値段を下げてもらうことができる。
このように、初めは条件に合わなかった物件もやり方によって、自分のガイドラインの範囲内に納まるようになる。