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第十三の鉄人
千葉県市川市在住 会社員 K.T.(69才)
投資の原点である利回り
寓話に「兎と亀の駆け比べ」があります。俊足抜群の兎が鈍足の亀を甘く見て、競技の途中で仮眠をとってしまったために、亀に負けてしまうお話です。「油断大敵ですぞ又は努力は才能に勝る」と訴えている昔話の教訓です。経済的に考察すると兎はハイリスク・ハイリターンであり、亀はローリスク・ローリターンでしょうか。兎に限らず、ハイリターンを盲信し泣いている人は少なくありません。私が小学生の頃ですから半世紀以上も前の事でしたが、小さい町で大騒ぎが起きた事を鮮明に覚えています。日本殖産金庫事件・保全経済会事件で多くの人が損害を蒙ったケースでした。最近でも元参議院議員によるオレンジ共済事件が起きています。浜の真砂は尽きるともです。性懲りなく、毎年似たような事件が起きています。高配当の欲に絡んでハイリターンを強く希求した人が引っかかるわけで自業自得と言えましょう。
古代ローマ帝国の昔から利回りは3%から5%のレンジで動いています。ヴェネツイア共和国は11世紀のヨーロッパにおける唯一の商業国家・通商国家で、「はじめに商売ありき」をモットーに繁栄を極めましたが発行された国債は100年間の長期に亙って5%の利払いが続けられたといいます。現代でも、交通事故による死亡の損害賠償額に対する金利計算の根拠はライプニッツ係数が採用され5%が基準値とされています。
昨今のように低金利の時代にはいると、5%が3%までダウンされた判例もでているようです。
資本主義社会において長期間に亙って提示しつづけられた金利は妥当なものであり、その数値は5%であると断言しても良いと思います。全ての経済活動は金利5%を中心として動いていると考えて良いと思います。
現時の金利を見ると銀行の1年定期が0.04%、5年もの国債が0.48%、10年もの国債が1.3%、東京電力株が2.3%であります。正に歴史的な低金利時代に遭遇しているわけです。
投資の原点が利回りである事を考えれば10%にも回る札幌のマンション投資はベストの投資であると判断できましょう。
「72の法則」があります。
元本を1%の利回りで2倍にするには72年の所要時間を必要としますという原則であります。7%の利回りではおよそ10年で2倍、11%の利回りでは7年で2倍になることを考えますと利回りはあだやおろそかにはできません。長期間での投資利回りでは、山あり、谷あり、紆余曲折はありますが、株と不動産に勝るものはないと私は考えています。
私はキャピタルゲインよりもインカムゲインを重視して投資しております。ヒットを打ち続ければその延長でホームランも出ます。時によっては、5%の基準値を大幅に上回ることがあります。
バブル期を思い出しましょう。東京の不動産利回りが1%を切っていました。先見性のあるごく少数の人は売りを提言しました。大多数の人は「まだはもうなり」を読みきれずに買い捲って、奈落の底に沈んだ人は数知れません。ババを引いたらその人の人生は破滅です。売りのサインが出ていても読めない、自分だけは大丈夫と思うのが人の世の常なのでしょう。
過去の歴史を振り返ると5%の基準を上下に超えても時間の経過で5%へ戻ってくるのです。5%に収斂されるのです。元の鞘に戻る経済の習性があるように感じられます。中国の諺に「物極必反」という言葉があります。物事は基準値より大きくかけ離れると、必ずや反転するのが道理であると教えています。
異常に高くなったものは、居心地の良いポジションに里帰りするし、異常に安くなったものは、やがて落ちついて妥当な価格まで自然に値を戻すことを考えれば、自ずから行動規範は生れてくると思います。
資本主義社会は利回りを軸として回転する走馬灯のようなものでしょうか。
皆様のご検討を祈念します。