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第十一の鉄人
岡山市在住 H.K.
プロローグ
2003年に入っても、国内外で先行き不透明な状態が続いています。国外ではイラク・北朝鮮の問題で、国内では長引く不況やデフレの進行で、3月決算を控えているにもかかわらず、バブル崩壊後最安値を更新しているありさまです。我々ビジネスマンも、定期昇給のベアゼロ回答や凍結という厳しい環境にあります。不透明な時代に我々ビジネスマンが、投資できるものというと、預貯金・債権・株とその応用商品・金・不動産くらいなのものではないでしょうか。その中で最も安定的で高利回りの資産運用手段は何かというと、私は中古マンションに投資して、賃貸収入を得ることが一番いい投資手段だと、考えています。そして実際に投資を行っています。しかし、日本の不動産投資は、非常に難しい状態になっており、投資できる不動産や、投資できる地区は限られています。
地域性
人々は大都市に出てくる。大都市しか仕事がないからです。今、地方にある仕事といったら極限するならば土木・建設だけです。それも公共事業等で無理してつくりだしている仕事なので、これも長続きしないと考えるべきでしょう。若者が残るのは「6大都市」だけでしょう。その中で、新築の投資用ワンルームマンションの供給は、東京にほぼ集中しています。第二の大都市である大阪は、経済の地盤沈下が激しく、沖縄とならんで失業率が全国1という有様です。第三の都市名古屋は、もともと県外者には人気が低く、投資家を集めにくいという欠点を、考えると東京の魅力は大きいです。やはり全国から投資家を集めることが出来るということが、首都東京の魅力なのです。上場企業の9割が、また大学の1割以上が、東京に集中していることを考えれば「毎日がお祭りの東京」が、これからも膨張していくだろうと考えられます。このことは、「東京バブル全国デフレ」という言葉に表れています。
しかし、新築ワンルームマンションを供給して、商売が成り立つということは、新築ワンルームマンションを売って儲かるということであり、価格が異常に割高ということです。ワンルームを販売し上場しているR社や、J社やF社など、利益は最高益を更新しています。実際試算してみると山の手線内で、坪300万の土地にワンルームマンション(20_)をたてると原価は800万~1000万くらいだそうです。それを2100万ぐらいで販売しており営業員は契約をとると、1件につき100万ぐらい歩合が、でるそうです。売れるまでは一生懸命ですが、契約が終わるとお客のことを「紙の古紙のチューインガム」というのを聞いたことがあります。意味がわかりますか?ゴミのすて場にこまるという意味です。すなわち、売れればそれでサヨナラということです。私は、先物営業=新築ワンルーム営業と考えています。東京でも、中古は確かに利回り8%~10%のマンションが市場にでていますが、築年数が30年近く建ったものなどは、将来が不安です。バブル期に建築されたものは、立地が悪く、間取りがせまいのでお勧めできません。東京は魅力的なマーケットですが、普通のビジネスマンが投資するには、リスクが高いと言わざるをえません。しかし狙うのなら10年くらい待って、価格が下がってから供給された、山の手線内の都心物件(中央区/千代田区/港区)がベストと考えます。
地方都市への投資
大阪と名古屋ですが、中古マンションの値下がりがまだ不十分だと考えました。まだ投資利回りがよくないからです。名古屋の場合は、県外者に人気がないため将来売却する場合は、すぐ処分できない可能性が考えられます。不動産投資は、「将来の収益を買う」ことを考えれば、この2大都市は成熟期を迎えており、これから発展するかどうかは疑問が残ります。その他の政令都市ですが、資産運用不動産売買・管理会社や、投資家が売買している市場が運営されているのは、札幌と福岡になります。札幌は北海道ブロックの中心地で、人口は182万人都市です。札幌は大手業者が、バブル期には新築ワンルームを販売していましたが、平年4年より新築ワンルームは建っていません。地域性としては、97年の拓銀の倒産や、雪印問題、公共事業の縮小で景気が悪化している状態ですが、2003年札幌駅のJRタワーのオープンや、日本ハムの札幌移転などの明るい話題もあり、私は将来に期待しています。福岡も、九州地区の中心、アジアにもっとも近い都市として、発展が約束されている点を評価しました。広島や岡山の中国地区や、四国の各都市は、通信網(IT)や交通網の発展により、地方中核都市としての機能を低下させられています。というのは、東京や大阪からのコントロール可能と、大企業が支店や営業所を廃止することが予想され、需要の低下の危険があるからです。実際に、廃止統合した企業も多いようです。しかし北海道や九州の場合、東京、大阪から全部をコントロールすることは、現状では不可能で有るとの判断のもと、私は札幌・福岡に投資をしました。
購入物件
札幌や福岡の都市に投資をするのなら、バブル期のドーナツ現象(都心の物件の家賃の高騰により、家賃の安い郊外へ移動)からアンパン現象(都心の物件の家賃の値下げより、家賃の安い郊外物件の魅力が薄れ、再び都心へ)の現在、便利な都心(中心地)しか未来がないということです。札幌なら大通を、福岡なら天神周辺のエリア(都心回避)で、職場にも近く、買い物にも便利な場所で、将来に競争力があるなるべく広い物件を購入するべきでしょう。東京以外の地方都市では、ワンルーム(20平米以下)は近い将来淘汰されますので、社会対応の30~50_ぐらいの1DKや1LDKや2DKクラスの方が安心だと思います。築年数でいうのなら、平成元年~4年ぐらいのバブル時期に、建てられた物件が狙い目でしょう。この時代の物件は、1/3~1/5ぐらいまで下がっています。普通のビジネスマンが、東京で新築ワンルームを2100万で1戸購入するのなら、札幌や福岡で500万~600万円中古のマンションを、4戸購入したほうがリスク分散の意味からでも、ベストだと考えます。