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第九の鉄人
神奈川県厚木市在住 S.M.(不動産コンサルタント)
もう一つはTop Gear、車の雑誌です。まあ、BBCが出版しているからではありませんが、車に関しては最高の雑誌だと私は思います。日本の車雑誌がなぜ、あんなごますり本になったのかわかりませんが、この本は徳大寺さんも真っ青になるくらいバッサリ切ります。いや、学生時代は3度の飯より車好きと言われた私ですが、車の好きな方はぜひ読んでほしい雑誌です。欧州で高い評価なんて日本で宣伝している車の評価がこの本では低かったりして笑ってしまいます。
まあ、欧州車に対する正しい知識はソフィスティケートされた富裕層の常識だと思います。M3 CSLの屋根がカーボンでできている事は誰でも知っているでしょうが、これが単なる軽量化だけでなく重心を下げる為という事まで最も早く知るにはこの本しかありません。
しかし、自宅からこういうホームページにアクセスできるのですから便利になりました。米国ではデジタル デバイドなんて騒いでいますが、日本では話題にもなりません。日本人はいつからこんなに先を読まない人間になってしまったのでしょう。先の事まで考える心の余裕が無いというのが実情かもしれませんが。
話は変わりますが、フェア-に関していい例が有りましたので紹介したいと思います。先日、楽天でオークション終了1分前に商品を消去した業者がいました。落札価格が低くて損を出すのがいやなので、消去したのだと思います。
皆さんもご存知のように、三菱はその行為の不正さゆえに遂にダイムラークライスラーに見放されてしまいました。西洋人はフェアー・アンフェアーには非常に拘ります。マックス ウエーバーが言った。『正直である事が長期的には利益を最大化する。』というのが彼らの資本主義のバイブルになっているからです。エンロン・アーサーアンダーセンの存続を彼らは許さなかったのです、この例からも理解して頂けるのではないかと思います。
正直、ビジネスをしていると不正への誘惑は、けっこう有ります。人間目の前の損失を避けたいという気持ちは誰にでもあると思います。しかし、皆さん違法な事は絶対やってはいけません。多くの方が、魔がさしたと言って地位や名誉を失われているのはご存知のとおりです。他人事だとなんて馬鹿な事をしたのだろうと言いながらも、当事者になると目がくらみます、注意してください。
セブン イレブンの鈴木さんも築城3年落城3日と上手い表現をされています。私は今回の例も非常に良い例だと思います。不正を行う者は、一時が万事色々な不正を行うものです、こういう風土を持つものが将来どうなるか市場の信望者としては楽しみに思います。
ただ、『ワインの樽の中にさじ一杯の泥水を入れるとそれは樽一杯のどろ水になるが、樽一杯の泥水にさじ一杯のワインを入れても泥水のままだ。』という話があります。楽天フリマの愛好者の一人としてワインの樽が泥水になってほしくないものだと思います。市場を管理する人は不正を行う者は何であろうが徹底的に排除してほしいものです。
ただ、不動産投資をやっていると家賃滞納者の立ち退きとか、倫理観に抵触するような問題が避けられません。不正に断固とした対応のできない方はだらだらと問題を長引かせてしまいますので、キチッと管理してくれる業者を選ぶ事が重要です。だいたい、普通の街の不動産屋は問題を解決してくれません。
とにかく、基本的に日本人はまだ色々な不正に対し鈍感です。しかし、グローバル化の進展の中でこの鈍感さは命取りになりかねません。皆さんはくどいようですが、気を付けて下さい。
しかし、日本はマネーも自動車もろくな雑誌が無く、公平性に対する意識が低い。私のように海外と関係の有る人間は世界の常識を知る為に外国の雑誌を読まなければいけない。いったい日本人はどうなってしまったのかと思います。平和ぼけなんて言われますが、実は平和だけでなく全てがぼけているのではないかと思います。
欧州人に武士道を紹介した新渡戸稲造さんのノーブレス・オブリージェはどこへ行ってしまったのでしょう。経済力を失いつつある国が尊厳を失わない為には武士道の精神しかないでしょう。
『かくすれば、かくなるものと知りながら、なせねばならぬ大和魂。』松蔭先生はこう言って腹を切られました。日本人が大和魂を失った時、日本の存在意義が無くなる事は間違いありません。将来、少なくとも財を築かれた皆さんは武士道に恥じない行動をとってほしいと思います。