マンション投資の鉄人

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第九の鉄人

日本社会は若者のモチベーション低下と心中する。しかし、強者は恐竜の如く繁栄する。

神奈川県厚木市在住 S.M.(不動産コンサルタント)

小説家の村上さんがなぜ勉強しなければいけないかという問いかけ自身が問題だと言われていましたが、まだほとんどの人が日本社会のこの不治の病に危機感を持っていません。

10年前も言いましたが、日本社会の衰退にとって最も脅威となるのは中国の台頭でも少子高齢化でもありません、若者のモチベーションの欠如です。これは海外から戻って来るとひじょうに強く感じるのですが、日本に居ると見えなくなって来ます。

今回、野村総研から上場企業の70%の若者が無気力感を感じているという発表が有りましたが、やっぱりなあという感じです。親の世代が追求した豊かな社会が子供の世代のモティベーションを低下させたのです、なんと皮肉な話ではないでしょうか。

私はこの話を聞く度に闘将ハンニバルの軍隊が一冬温暖な地中海で過ごしただけで壊滅したという話を思い出します。



しかし、企業における従業員のモチベーションの改善はほとんど期待できません。なぜなら村上さんが言われるように現在の中年以上にとってはそんな事は問題ではなかったからです。自分で解決した事が無い問題について次の世代を指導する事はできません、簡単な理屈です。

ただ、企業もなにもやっていないわけではありません、成果報酬とかエリートの選別とか色々やっています。しかし、豊かな社会で育った世代は笛を吹けば踊るほど単純でもないのです。おそらく、これから10年多くの企業が世代交代と共にこの無気力病の患者となってしまう事でしょう。



日本全体の話はこのようなものですが、実は個人レベルの競争となると状況は全くかわって来ます。残りの30%は高いモチベーションを持っているのです。おそらくこの方が皆さんには影響が有る話でしょう。

教育研究の方々は既に気付かれていますが、日本社会は既に階層の再生産に入っています。高い地位の親の子供は高い地位になるという事です。つまり、優秀な子供には更に能力を向上させる為に多くの機会が与えられているのです。米国で貧困から抜け出すにはスポーツ選手か芸能人しかないと言われるように、日本でもエスタブリッシュメントで勝ち抜くのは、優れた才能と洗練された教育を受けた者のみになって行くのです。

既に私の勤務先も45歳の社長というのが来られていますが、おそらく、皆さんが今後企業に身を置いていればこういう英才教育を受けた若者がごく自然に上司として入って来るでしょう。



日本全体が金儲けの国になりつつある。と経団連の奥田さんが言われていますが、私が億万長者へのパスポートを書いてから10年、このお金持ち指向の流れはエスタブリッシュメントの頂点の人間の目にさえとまるような大きな流れになったようです。

そして次の10年は階層格差の拡大です。強者は、白亜紀の恐竜のようにより大きくなり、弱者は河川敷行きでしょう。望むと望まないにかかわらずこの流れは資本主義の必然として進むのです。

そう、せめて強者にはノーブレス オブリージェは持ってほしいものです。もちろん強者とは投資を進めて来た皆さんを含んでの事ですが。