マンション投資の鉄人

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第二十四の鉄人

マンション投資:利回りよりも入居率

東京都在住 H.H.(元投資銀行勤務)

札幌の人口は北海道の人口の約三分の一を占めており、189万人を超えています。また、人口だけでなく世帯数も年々増加傾向にあり、地方からの流入により一極集中型になっています。特に単身者の増加傾向は顕著のようです。このようにワンルームやコンパクトマンションの需要は増大していることは間違いなく、投資マーケットとしては有望な地域です。ただ、その一方でマンションを含めた賃貸物件も増加しており、競争が激化している事実もあります。そのような中どのような物件が投資として安全かつ有望なのでしょうか。

札幌の中古マンションは首都圏や他の都市圏の物件に比べ利回りが高い物件が多く、表面利回りが20%を超えるものも珍しくありません。中には30%近くの物件も見受けられます。ただ、利回りだけに心を奪われるのはかなり危険です。不動産投資は、賃借人が入らなければ収入はゼロどころか管理費等でマイナスです。従って、利回りは(利回りX入居率)で計算する必要があります。購入時に利回りが25%あってもそれが何年も保証される訳ではありません。多少利回りを犠牲にしても、高い入居率が見込める物件の方がお勧めです。

入居率の高い物件というのは、人気の地下鉄駅周辺のエリアが基本です。ロケーションの価値は年数に関わらず不変ですが、建物は築浅でも年数とともに価値が下がります。従って、同様な価格、同様な利回りで、立地と築年数がそれぞれ違う場合は、ロケーションを優先します。特に長期保有を考えている方は、ロケーションがより重要になってきます。札幌では、最近人気のある地下鉄駅から徒歩数分で結構利回りの高い物件が出てくるようになりました。

また、入居率を高める方法として、内装のグレードアップや家具家電をそろえると言うのもあります。昨今よく言われる差別化で、同じような物件が数多くある中で、賃貸物件を探している方に強いインパクトを与える必要があります。ロケーションは変えることはできませんが、それ以外は工夫次第で結構変えられるものです。

最後に逆説的ですが、高い利回りの物件を安く購入することができた場合、家賃を下げる勇気のある方は、同様に高い入居率を期待できます。つまり家賃による差別化です。どの程度まで下げたら優位性が生まれるかは不動産会社の営業マンに聞いていただければ直ぐ分かると思います。

以上のように、札幌は投資手法を間違わなければ、投資先としてまだまだ魅力があると思います。じっくり探して満足のいく物件を購入してください。

2010年10月13日