マンション投資の鉄人

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第二十五の鉄人

私のマンション投資の15年(6) - キャッシュフロー

鳥取県在住 T.T.

 投資ですからキャッシュフローがどれだけ得られてるかがポイントです。
 私の15年の実績をご紹介します。 下の方の表の右端(K)がそうです。

 空室の発生が他のコスト増に大きく影響しています。
 言い換えれば、空室さえなければコストの発生も抑えられ経営は大きくプランをぶれることはないと思います。
 しかし、現実空室は発生しますから残念ながら過去のアクチャルから将来の発生による損失もプランしていかなければなりません。
 空室によって生まれる他のコストとは、主に 「原状復帰の内装費」「関連して発生する機器不具合の修理費」「募集費」です。

 これらを考慮した「E 現実利回り」は、平均で5.35%になります。
 「そんなに低いの!?」と思われるかもしれませんが、あくまでも私の実績です。
 先の「D 実際利回り」よりもさらに1.79%の減少です。

 購入区分物件名築年数
現実利回り
内装・営繕内装・営繕募集費募集費空室率
 年度  (費用付加)累計(千円)/年(千円)累計(千円)/年(千円)(期間%)
1996川崎市川崎区204.6932723 17713 2.11%
1997札幌市中央区204.9469353 16813 9.64%
1997札幌市北区285.2587167296237.98%
1997札幌市中央区196.4326220 1018 2.55%
1997札幌市中央区193.70676522722111.91%
2000札幌市中央区194.1343343277288.13%
2001札幌市中央区287.5952652 576 5.00%
2001札幌市中央区197.1224327 789 3.67%
2003札幌市中央区295.10 1047150 10615 7.53%
2004札幌市中央区194.5855492109186.78%
2004札幌市中央区193.70 900150 16928 11.59%
2006福岡市西区206.9621955   0.00%
2009福岡市博多区23-12.3113401340   12.76%




        IJK
 購入区分物件名築年数空室回数空室期間所有月数平均空室月数年間NOI年間NOI年間CF
 年度   (月数) (一回当たり)(購入時)(現在) 
1996川崎市川崎区202 3.72 176 1.86 512,880 528,480-203,940
1997札幌市中央区204 16.00 166 4.00 515,424 431,448-108,360
1997札幌市北区286 13.16 165 2.19 600,012 531,216-180,684
1997札幌市中央区193 4.11 161 1.37 509,508 445,884-40,296
1997札幌市中央区196 18.58 156 3.10 441,432 280,188280,188
2000札幌市中央区196 10.00 123 1.67 329,940 286,008-156,168
2001札幌市中央区281 5.50 110 5.50 623,772 482,376482,376
2001札幌市中央区191 4.00 109 4.00 605,148 498,600498,600
2003札幌市中央区292 7.00 93 3.50 372,972 340,452340,452
2004札幌市中央区192 5.56 82 2.78 560,040 427,080427,080
2004札幌市中央区193 9.50 82 3.17 638,448 420,55229,544
2006福岡市西区200 0.00 57 -576,216 576,708-64,128
2009福岡市博多区231 2.68 21 2.68 643,428 650,688650,688


 空室率は15年間をみると、 トータルで6.65%です。
 15年間を3つの区間でみると最初の5年間、次の5年間、最近の5年間で、それぞれ 2.19% ⇒ 7.27% ⇒ 7.57% と悪化しています。

 最大の空室発生は2004年で 15.16%。2004年前半の半年(1~6月)は退去者が同時期に集中して発生しました。
 当時所有 9部屋のうち7部屋が空室に! なんとその半年間 空室率30.83%! さすがに落ち込みました。 こんなことがあるんです。
 家賃を下げたり、めったにしないのですが募集費を2か月、3か月と増やしたりしたのがこの頃でした。

 空室が一つでも発生したら早いタイミングで埋めることに全力を尽くさなければなりません。でないとそうこうしているうちに次の空室が生まれます。
 一部屋でも空いたら異常事態と思うくらいでないとダメだと思います。でないと二つ目が空き、三つ目が空き、四つ目が・・・・・と追い込まれます。
 「今の時代、空室は一戸くらいあって当たり前だ」と思うようになっては負けです。空室はだれのせいでもありません。オーナーの意識の問題です。

 私の運用実績では表の通り、空室率の高い物件ほど内装&営繕費や募集費が多くかかっています。
 当然のことながら入居者の入れ替わり時には現状復帰が必要となります。室内劣化の程度にもよりますが内装費用がかかります。
 また経験上、空室期間が長引けば室内の設備機器が故障したり水回り部分が変調をきたしたりして次の入居者からのクレームがある場合が多々あります。 設備は入居者があって使ってもらってその機能や質を維持できます。使用されてなければ故障不具合も多くなります。

 ここから導き出せる対策としてはやはり「退居回数、空室期間をいかに減らすことができるか」ということになります。
 マンション経営は「どうしようもない事情を除いた退去や空室期間をいかに抑えるか。」 がとても重要だと思います。
 「どうしようもない理由」とは転勤や卒業で引っ越さざるをえない場合です。

 それ以外の理由があっての退去発生は極力抑えなければなりません。
 ①家賃設定、②室内設備充実の問題、③機器故障やトラブル近隣とのクレームの問題。
 ①と②はオーナー  ③は管理会社にお願いし、万全を期さなければなりません。

【参考データ】
<15年間の空室率推移>
年度空室率平均(5年間単位)
19966.25% 
19974.17% 
19981.02% 
19990 
20003.73%2.19%
20012.73% 
20029.37% 
20034.76% 
200415.16% 
20050.38%7.27%
200610.99% 
20073.13% 
200811.11% 
20093.04% 
20109.78%7.57%


<空室期間とコストの関連性 (実績値)>
コストは空室で発生した原状回復の内装費、修理営繕費、募集費です。
物件No.空室率コスト(千円)
12.76%1340
11.91%948
11.59%1069
9.64%861
8.13%710
7.98%1167
7.53%1153
6.78%663
5.00%583
3.67%321
2.55%363
2.11%504
0.00%219