マンション投資の鉄人

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第二十五の鉄人

Ⅲ.ふりかえり 私のマンション投資の20年(27)量の拡大について

鳥取県在住 T.T.

変化のスピードが早まっているものに対して一度に高額投資することは私にはできません。不動産は株等と違って変化のスピードが緩やかだからやってきています。しかし、昨今は経済情勢の変化と相まって慎重にならざるを得ません。

商売はセールスの最大化、利益の最大化です。「アタマをとってケツをとる」です。そういった意味でアタマをとるには一棟ものが手っ取り早いのかも知れません。くどいようですが、価値が上がれば何も問題ありません。良い買い物をされましたね!と心から拍手し、うらやましいなと思うでしょう。しかし価値が下がった時、その痛手は計り知れないものがあるでしょう。

ところで、私は戸建賃貸に興味を持っています。雪の多い札幌では高齢者にとっては難しい面もあるかも知れませんが、本州ではファミリーには圧倒的な人気があります。まったくもって玉不足です。マンションが良いのか戸建賃貸が良いのか分かりませんが、小さな投資商品を一個ずつ積み重ねていった方が良いのではないかと思っています。少なくとも変化が起きた時に軌道修正しやすいです。

大きな買い物に縛られたら、価値が下がったとき、悪い方向に振れたとき、軌道修正は容易ではないはずです。空室や家賃下落リスクもそうです。大学や工場の移転や、競合物件が建ったりで周りの環境変化があったり、反社会勢力や宗教団体が入ったり、入居時は違っても途中でそうなったり、他にもたった一住戸のモラル欠落者のためにその一棟まるごと全室お釈迦になることだってあり得るわけです。

投資の考え方がインカムゲインの収益狙いであるか、キャピタルゲインといった売買差益狙いかで違ってくるのだと思います。人生の価値観の違いですね。
セミナーなどでもお会いしますが、最初から一棟を購入される方もいらっしゃいますし、区分所有から一棟にシフトする人もいらっしゃいます。様々な考えはあると思いますが、私の場合、面倒なことはしたくないのが本音です。何よりも大切な時間をとられますから。

一棟の場合はオーナーがたった一人で苦情トラブル、修繕等にあたっていかなければなりません。そういうのが好きなら別ですが・・・ 管理会社の助けがあっても大変だと思います。時間とお金がかかりますし、それをマネージメントする労力がかかります。マンションの区分所有は楽です。たくさんのオーナーがいますから。管理組合という資産価値を維持するうえで重要な人の集団がそのマンションを支えています。家賃から管理費や修繕積立金が引かれ、一棟に比べて毎月の利益は少ないかも知れませんが少し所有する部屋の数があればそんなにやれないわけではありません。

「何が目的で始めたか」です。不動産投資を。経済的な余裕がほしいし、人生を楽しむ時間がほしい。それだけです。量の拡大といったゲームに走るとリスク増大となるような気がしてなりません。マンションについてはたくさんの問題児を抱えず、自立歩行してくれる手のかからないほんの2、3人の子供がいればいいといったイメージです。

「私のマンション投資」ですから。「自分は自分。他人は他人です。」
本来の目的の初心を忘れないように淡々と行けるところまでは行き、いろんな土地や、いろんな人との出会いといった別のことを大いに楽しんでいこうと思っています。