マンション投資の鉄人

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第22の鉄人

「家賃収入が年金生活の支えになるって本当? ~自身の器の大きさを知り、 財産という水をこぼさないようにしよう」

東北地方在住 瀬谷潤

 投資向不動産の広告に「家賃収入で年金生活や老後資金の充実」という類のワードが入ったキャッチコピーをどなたも一度は目にしたことがあると思います。
不動産投資によって本当に年金生活が充実、とまではいかなくても助けになるのでしょうか?魅惑的なワードに対し疑心暗鬼の方も又多いかと思います。
ぼくは昨年65歳を迎え、晴れて(?)年金を受給するようになりました。この歳まで待たずに繰り上げて、つまり60歳から受け取ることもできたのですが腎臓に持病を抱えるぼくにとって万が一透析になったとき、「障害年金」を受け取る権利を永久に失うことになるので繰り上げ受給という選択肢はありませんでした。逆に受給開始年齢を先に延ばし将来の受給金額を増やすという繰り下げ受給に関しては、亡き父の口癖だった「明日の百より今日の十」の例えではないのですが、増えるであろう淡い未来の受給額に託すよりもやはり今欲しい。これはもう本能に近い本音であり、通常の65歳からの受給開始としました。
本題に戻りましょう。投資用不動産を購入し不動産賃貸業を実践することで、つまり毎月の家賃収入を得ることで年金生活が充実、とまではいかなくても本当に助けになるのでしょうか?
結論から述べます。充実とまでいくかはその規模によるでしょうが、不動産投資を賃貸業という事業であると捉え実践しているのであれば、かなりの確率で年金生活の助けになると思います。ただし気を付けなければならないのは賃貸業を実践していることがかえって足枷になってしまうこともあり、表裏紙一重という処に不動産投資の難しさがあります。ではどうすれば不動産投資を足枷にすることなく年金生活の助けにすることができるようになるのでしょうか?
以下にぼくの考えを記してみました。あくまでも私見です。否定するのか肯定するのかご自身の考えと照らし合わせながらご一読していただければ嬉しいです。

[住宅ローンの完済した持ち家があること]
ネット上では「持ち家か賃貸か」という議論が盛んに行われています。どちらの主張もなるほどと思われる点がいくつもあり、ここでぼくが「持ち家か賃貸か」について意見するつもりは毛頭ありません。あくまでも家賃収入が年金代わりになるか否かという今回のテーマの範囲内で述べさせていただきます。
結論から言って自身の住まいが賃貸では年金代わりにはならないでしょう。というのは家賃収入が自身の住まいの家賃に充てられてしまう可能性があるからです。「住宅ローンを完済した持ち家」であると記したのも同じ意味で、たとえ持ち家であってもローンが残っている以上、家賃収入が住宅ローンの返済に充てられてしまう可能性があり、やはり年金代わりになるのは難しいと考えます。

[どんなに少額でも毎月収入があること]
さすがに60歳を超えてからの新たな就職というのは厳しいのが現実です。
今まで勤めていた職場に再雇用や嘱託という形で残れるのであれば、たとえ収入が下がったとしても恵まれているというべきかもしれません。しかし厳しいからといって60代で隠居する時代ではもはやない。これが現実です。
ぼく自身この歳(65歳)になって感じること。60代って働けるんです。というか働きたいんです。自身の労働を通してまだまだ社会と繋がっていたい。何より社会に貢献していきたい。リタイヤする気持ちなんて毛頭ありません。
ぼくは年金生活になったら収入の額にこだわる必要はないと思っています。
収入にそれほどこだわらないのであれば60歳を過ぎたら誰もが利用できるシルバー人材センターの活用も選択肢かと思います。仕事を通じて社会と繋がり貢献している。たとえ少額であったとしても仕事によって得られる毎月の収入がある、という安心感と充実感。ここが大切なんじゃないかなと思っています。

[固定費。特に保険料の見直しをすること]
 節約によってお金を貯めることってできるのか?と問われたらぼくなら難しいと答えます。出費には大きく分けて「固定費」と「変動費」があり、節約というとこの変動費を削ることを意味するケースがほとんどで、はっきり言ってこの変動費をいくら削ったところでそれほどの効果は期待できません。もちろん節約を否定しているわけではありませんが、節約のポイントは毎月必ず一定額かかる「固定費」をどう削減していくかではないでしょうか。固定費にも色々あるのですが今回は「保険料」という項目に限定して考えてみたいと思います。
国民性なのか日本人ってよほど保険が好きなようで何の保険にも入っていないという人はむしろ稀かと思います。でも忘れていませんか?日本には世界に誇る「国民皆保険制度」という極めて充実した社会保障制度があることを。
ぼくは17年前から腎臓と眼病を患いその後8回の手術を伴う入院を繰り返しました。8回の入院をして実感したこと。「入院し手術するのって意外とお金かからない」。このカラクリは公的医療保険には「高額療養費制度」という、申請すれば収入によって限度額は変わりますが、差額ベッドは使わず一般病室で保険診療の範囲内であればその月の支払額に制限が設けられているからです。
ぼくは経験から保険診療の範囲内での治療で十分だと思っています。というのはぼく自身、8回とも保険診療の範囲内での入院、手術ではありましたが、腎臓は透析になることなく、目も両眼併せて4回の手術を受けましたが、今でも裸眼で運転することができるだけの視力を保ったまま生活ができているからです。
ぼく自身、年金受給開始をきっかけに最低限の保障があれば良いと考え、保障を半額にし、保険料も半額に減額するという医療保険の見直しをしています。
国民全てが国の社会保険制度という盤石な公共の医療保険に入っているのですから、年金生活に入ったら「現在加入している医療保険を見直してみる」ということを検討されてみてはいかがでしょうか。これは8回の入院と手術を経験したぼくが感じていることですが、少しは信ぴょう性・・・あるかな?

[夫婦仲の良いこと]
 ぼくの家のリビングには不思議な訓示が書かれた一枚の紙が貼ってあります。その名は「金持ち十訓」。何時どのような経緯でぼくの家に来たのかまったくわかりません。もちろん買った覚えもない、というかぼくはこういう訓示の類ってあまり好きではないので自らの意志で買うことはありません。
ここで書かれている十の訓示すべてをご紹介するわけにはいきませんので最も共感できた訓示と最も共感できなかった訓示を紹介させていただきます。
最も共感できた訓示は「賭けをあてにせぬこと」
対して最も共感できなかった訓示は「夫婦仲の良いこと」
若い頃この訓示を見たぼくは、夫婦仲さえ良ければお金って貯まるものなんだろうか?と不思議でしょうがなかったんです。ところがだんだんと若い頃には理解できなかったこの訓示の本当の意味がわかってきました。
金持ち十訓の「金持ち」とは何もお金をたくさん持っている、という意味ではなく、むしろ健康や夫婦仲などお金とは又別の意味なのではないかなと考えるようになってきました。今年で妻も65歳を迎え年金生活に入るにあたり、これからも様々な問題に対し、仲良く二人で真摯に向き合い話あっていくことが豊かな老後に繋がっていくのではないかなと考えるようになっています。

 人にはそれぞれ異なる大きさの器というものを持っているそうです。
たとえいくら不動産収入があったとしても、自身の持っている器の大きさをわきまえていなければ結局は溢れさせてしまう。
ぼく自身、今の仕事の収入は月に数万円程度しかなく、年金額もしれています。過去に借金で大きな失敗をしていなければ不動産から得られる家賃収入ももう少し多かったのかもしれません。でも所詮それがぼくの持っている器の大きさだと思っています。
収入という器。年金という器。家賃収入という器。そのどれもがたとえどんなに小さな器であったとしても、それぞれの器から財産という貴重な水を溢れさせることがないよう大切に守り育てていくことで、家賃収入が年金生活を助ける、目には見えない大きな支えになってくれるのではないかなと思っています。 

【Youtubeに寄るセミナービデオのご案内】

Youtubeにてぼくのセミナービデオを公開しています。
4件の物件を競売にかけられ、億に近い多額の債務が残ったにも関わらず自己破産をすることなく今も不動産投資を、しかも無借金で実践している、というぼくの実体験から経験した事を中心に二部構成でお話させていただいております。
売却後の残債務の存在を認め、今後の支払いを約した上で売却する任意売却。
売却後の残債務の存在を認めず、今後の支払いも債権者との接触も一切拒否したまま裁判所にて強制的に売却される強制売却。つまり競売。
このふたつの売却方法にはどのような違いがあるのかを具体的にお話しています。

なぜぼくが任意売却を拒否し、誰しも忌み嫌う競売にかけられることをあえて選択したのか?
一般に怖れられている競売にかけられる手続とは本当に恐怖のシステムであるのか?
なぜ4件もの物件を競売にかけられ億に近い債務を負いながら自己破産をすることなく今もこうして不動産経営を続けられているのか?
何より競売後の残った多額の債務の最後とは一体どのようになってしまったのか?

あくまでも失敗した体験談ですから明るい内容のセミナーではありませんし、話の性質上どうしても法律用語が多く登場しますが、そこの処はできるだけ分かりやすく又余り深刻にならないようにお話することを心掛けました。 是非ご覧になってください。


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講師 瀬谷潤